セミナー

第1回 ITPU 公開セミナー(2005-12-15)

議事録

開会、挨拶

(司会) それでは定刻になりましたので、ただいまから公共政策大学院国際交通政策研究ユニット主催、公共経済政策ワークショップ共催、第1回公開セミナーを開催させていただきます。この国際交通政策研究ユニットといたしましては、第1回目のセミナーになりますので、開催にあたりまして、まず公共政策大学院の森田院長よりご挨拶を申し上げたいと思います。

(森田) 皆様こんにちは。本セミナーを主催しております東京大学公共政策大学院院長の森田でございます。公共政策大学院といいますのは通称でございまして、正式名称は東京大学公共政策学連携研究部・教育部と、ちょっと長い名前なので、通称でお話させていただきます。

本日は、公共政策大学院が設けました国際交通政策研究ユニット、ITPU の第1回の公開セミナーを開催いたしましたところ、大勢の方にお集まりいただきまして感謝申し上げます。皆様もご存じの通り、今日、政治経済、行政、あるいは法律も含めまして、大きな転機を迎えていると思います。私自身、行政学という学問を専攻しておりますけれども、最近の変化には目を見張るものがあると思っております。このITPU は、21世紀にふさわしい国際交通システムのあり方についての研究を推進しまして、新しい政策形成や人材の育成に資することを目的としております。そのような趣旨で今年の10月に発足させた研究ユニットでございますけれども、国際交通という観点から新しい時代の政策形成と次の世代を担う人材の育成、そうした人たちの政策マインドの涵養につながっていけばと思っているところでございます。本日のこのセミナーを皮切りといたしまして、各種のセミナー、あるいはディスカッションペーパーの発行というのを順次行っていく所存でございますので、どうぞご支援をお願いしたいと思いますし、また楽しみにしていただければと思っております。

このあと基調講演とパネルディスカッションがございますが、さらに夜間には山上会館、少し離れたところにございますけれども、そこで研究ユニットの設立記念祝賀会を開催する予定でございます。各官庁、企業の方も大勢いらっしゃると思われますのでどうぞこの機会を利用しまして、皆様の交流と、またこうした政策のテーマについてのディスカッションの場にしていただければと思っております。それでは簡単ではございますけれども、私の挨拶とさせていただきます。

(司会) 森田院長、どうもありがとうございました。それでは本日のセミナーの流れをまずご紹介させていただきます。申し遅れましたけれども、私は本日の進行役を務めさせていただきます、特任教授の山口と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

本日のセミナーでございますけれども、このITPU、国際交通政策研究ユニットのいわばミッションに関わるテーマを主題とさせていただきました。ご案内の通り、今日の状況というのは、広い意味でのグローバリゼーションと、それから地域主義という2つの大きな、異なる力が働いていると思いますけれども、こういう中で人や物の交流、これを支える国際交通システム自体どのようにあるべきかということを、皆さんとともに考えてまいりたいと思っております。先ほど院長からもご紹介がありました通り、今日はまずテ・オーム教授に基調講演をお願いしておりまして、引き続きパネルディスカッションを予定してございます。お手元に資料をお配りしておりますけれども、ちょっと見ていただきますと、全体の進行と参加者のプロフィールを書いた紙、それからパネルディスカッションの参考資料が入っていると思います。日本語版と英語版がございます。実はこの参考資料は、後ほどのテ・オーム教授の基調講演におきまして、かなりの部分活用させていただいておりますので、ご参考にしていただきたいと思います。それから、ITPU の紹介をした資料が1枚入っているか思います。加えましてアンケートが入っておりますので、本日終了後に係の者、名札を付けている者にお渡しいただければ幸いでございます。

それでは早速、基調講演から始めたいと思います。テ・オーム教授は、ブリティッシュ・コロンビア大学の教授でございますけれども、同時に世界の航空関係の学識経験者が大変多く参画している国際航空学会の会長を務められておられます。ご専門は規制政策、産業組織、需要予測、費用便益分析等、たいへん広範にわたりますけれども、とりわけ国際航空の分野では大変な権威でおられ、航空会社の戦略、それから空港の経営、国際航空関係に重点を置かれておられますし、大きな影響力を内外でお持ちの人物でございます。これまで多くの書籍あるいは論文をお書きになっておられまして、論文につきましては150本というふうに聞いております。オーム教授は先週まで、実は欧州の方におられまして、OECD/ECMTのラウンドテーブルの議長をお務めになられて、大変ご多忙の中、本日のセミナーに駆けつけていただきました。それではただいまから基調講演の方に移らせていただきます。オーム教授よろしくお願いいたします。

基調講演ブリティッシュ・コロンビア大学テ・オーム教授

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