科学技術と公共政策

担当教員

城山 英明

配当学期・曜日・時限

夏学期 火曜 3限

内容・進め方・主要文献等

現代の公共政策においては、様々な政策領域において科学技術の開発、社会における科学技術利用の促進、科学技術利用に伴う安全・環境悪化の防止といった科学技術と公共政策の交錯領域が重要になっている。例えば、環境政策、エネルギー政策、交通政策、医療政策、情報政策といった政策領域においてそのような傾向は顕著に見られる。本講義では、このような科学技術と公共政策の交錯領域に関する課題の全体像を把握することを目的とする。具体的には、リスク評価とリスク管理に関する理論、様々な政策手段(法規制とその運用、情報共有、保険等市場的制度、第三者機関の役割、補償制度、事故調査)、技術選択・利用における社会的意思決定・合意形成、セクター間役割分担、規制の国際的差異化と調和化、国際協力・援助、安全保障との関係等について論じる。授業に際しては、基本的事項については講義するとともに、参考文献、事例に関する資料を指示・配布し、参加者にも報告を求めながら進める。主要な内容は以下の通りである。

1.リスク評価とリスク管理
理論:リスク・トレード・オフの扱い、不確実性への対応(予防原則と後悔しない政策)
政策手段:法制度(期待水準の線引き、補償)、保険、情報提供、適切な政策手段ミックス
制度:テクノロジーアセスメントの組織設計と運用、第三者機関・専門家組織の役割

2.技術開発と技術導入
資源配分と評価:研究開発における重点化の功罪
政策プロセス:技術導入プロセスにおける政府主体・民間主体(企業、NGO等)の相互作用、社会的意思決定・合意形成の枠組と手法
政府と市場・社会の役割分担

3.国際的次元
国際的ハーモナイゼーション   国際協力・援助  科学技術と安全保障

教材等

小林編『公共のための科学技術』玉川大学出版部、城山・山本編『融ける境、越える法・第5巻:環境と生命』東大出版会、堀井編『安全安心のための社会技術』東大出版会、グラハム『リスク対リスク』昭和堂、スコルニコフ『国際政治と科学技術』NTT出版他。

成績評価の方法

平常点、レポート等による。

関連項目