地域政治C(EUの政治)
担当教員
配当学期・曜日・時限
夏学期 木曜 3限 (隔週)
夏学期 木曜 4限 (隔週)
内容・進め方・主要文献等
本講義は、ヨーロッパ連合(EU)の全体像をコンパクトに提示することを目的とする。その際、EU(研究)のもつ面白さを、その問題点とともに、多角的に示せればと考えている。
具体的な講義内容としては、
1)導入部分でEU(研究)の意義と射程について紹介したのち、
2)歴史的にどのような統合過程を経て現在にいたったのか、とくにどのようなリーダーシップがなにを創ってきたのか、
3)市場・通貨統合後のEUが、いかなる政治体へ変容したのか、とりわけデモクラシーとの関連でいかなる問題を提起しているのか、
4)加盟国拡大・憲法批准挫折後、EU(諸国)がどのような特質や傾向を持つのか、
5)米欧関係やグローバル化との関連を中心に、現行の世界秩序に対して、EUがどんな意味をもちうるのか、
6)社会科学、とりわけ法学政治学の概念・思想に対してEUはいかなる含意を持ちうるのか、なかでも主権概念と補完性原理の関係を中心に、
検討することになろう。
隔週木曜日で、2コマ連続で講義する。日程に関しては、適宜掲示等に留意されたい。
教材等
・遠藤乾編『ヨーロッパ統合史』『原典ヨーロッパ統合史』名古屋大学出版会、2007年近刊(出版が間に合わない場合、教材として一部配布)。
・ 小川有美編『EU諸国』自由国民社、1999年
・ 藤井良弘『EUの知識』日経文庫、2002年
講義予定
2週間に1回ほどのペースで2コマ続けて講義する。今のところの予定は、以下のとおり。初回に日程を確認する。変更等については、掲示を参照のこと。
4 月 19 日 @イントロ:EU(研究)の意義と射程
Aヨーロッパ統合史I:前史、戦間期
4 月 26 日 Bヨーロッパ統合史 II :復興、冷戦、統合
Cヨーロッパ統合史 III : EEC の動揺と定着
5 月 17 日 Dヨーロッパ統合史 IV : 70 年代の静かなる革命
Eヨーロッパ統合史 V : 80 年代の再活性化
5 月 31 日 F冷戦後の EU-I :拡大、米欧関係、規制帝国
G冷戦後の EU-II :グローバル化、通貨統合、テクノクラシー
6 月 7 日 H EU とデモクラシー
I欧州憲法条約とその後
6 月 21 日 J主権と補完性
K方法論的ナショナリズムについて
7 月 5 日 L予備日
成績評価の方法
筆記試験による。