民事法の基層と現代的課題
担当教員
配当学期・曜日・時限
夏学期 金曜5限
内容・進め方・主要文献等
法の生成・展開過程や法を支える社会の構造等を踏まえた基礎的考察を通じて法の基層に降り立つことは、民事法における諸制度を設計し、またそれを解釈・運用するに際しての欠くべからざる諸前提のうちの一つである。本授業では、「契約」を主題とし、契約に関する諸問題をめぐる歴史的・社会的背景を踏まえつつ、契約法上の現代的課題についての分析を試みる。
授業の進め方に関しては、講義とそれに関する質疑応答を基本とするが、参加人数や進行状況に応じて、参加者に簡単な報告を求めることもあり得る。本授業で取り上げるテーマとしては、以下のものを予定している。
・契約関係と信頼関係 ―現代社会における「信頼」の意義―
・契約法における「生ける法」
・契約法史における方式主義と諾成主義
・信義誠実の原則の基層
・法律行為論の成立史
・現代における役務提供契約とローマ法上の賃約の構造
・契約法における柔軟性原理と再交渉義務
・不完全履行に対する救済における交渉促進規範
・契約内容の変更と更改
・契約の成立
・約款とその規制方法
・典型契約制度の現代的意義
教材等
適宜配布する。
成績評価の方法
レポート等による。