国際行政論

担当教員

城山 英明

単位数・配当学期・曜日・時限・使用言語

2単位 / 冬学期 / 水曜3限 / 日本語

授業の目標・概要

国際行政とは国境を越えた相互依存にともなう諸課題を解決するための様々な組織的マネジメントである。多国間国際組織の活動のみならず、二国間等の調整活動やNGO等の活動も含まれる。国際組織と国、NGOといった組織間関係のマネジメントも1つの焦点である。国際行政は2つの特質を持つ。第1に国際行政の対象は多量かつ多様である。第2に国際行政活動は諸主権国家制という分権的な統治制度の下で行われる。本講義では以上のような基本的特質を持つ国際行政現象について、組織論、管理論(財政、人事等)、活動論の観点から行政学的に分析することを試みる。活動論に関しては、国際安全保障(国際刑事司法を含む)、国際援助、専門的技術的行政(国際的規制調和等)の具体的事例をとりあげる。

授業のキーワード

国際行政, 国際連合, 平和構築, 国際援助, 国際的規制

授業計画

1.国際行政の特質
2.20世紀における国際統治構造の変容
3.国際行政組織1-組織設計の原理
4.国際行政組織2-機能別国際行政組織と国際共同統治
4.国際行政組織3-戦時共同行政と一般的国際組織 cf. WTOの横断的機能
5.国際行政組織4-欧州連合等地域組織の実験 cf. 東アジア地域協力と課題
6.国際行政管理1-財政・人事 
7.国際行政管理2-ルール
8.国際行政管理3-情報・アジェンダ設定
10.国際行政管理4-実効性・正当性の確保 cf.NGO・企業の利用
11.国際行政活動1-国際的紛争管理
12.国際行政活動2-国際援助行政
13.国際行政活動3-国際的規制

授業の方法

主として講義によるが、事例に関するディスカッションも行う。

成績評価方法

平常点(20%)、試験(40%)、レポート(40%)による。

教科書

なし。

参考書

城山英明『国際行政の構造』東京大学出版会、1997年。
渡辺昭夫・土山実男編『グローバル・ガヴァナンス』東京大学出版会、2001年。
田所昌幸・城山英明編著『国際機関の評価と日本』日本経済評論社、2004年。
城山英明・石田勇治・遠藤乾編『紛争現場からの平和構築-国際刑事司法の役割と課題』東信堂、2007年。
城山英明『国際援助行政』東京大学出版会、2007年。

関連項目