download graspp user website pdf tell external home arrow_down arrow_left arrow_right arrow_up language mail map search tag train

東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

GraSPPers Voice GraSPPers Voice

パリ政治学院生としての1年

Yumeri Tanzawa (from Japan)

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

私は1年間、パリ政治学院のMPA(Master of Public Affaires)に交換留学生として在籍しました。MPAは小規模ながら非常にインターナショナルなプログラムで、ヨーロッパに加え南北アメリカ・アジア・アフリカ・中東とあらゆる地域から来た留学生が学んでいます。ほとんどの生徒が社会人経験を持ち、そのバックグラウンドは国の中央省庁、NGO、国際機関、金融機関、弁護士と実に様々です。

授業について

所属コース(MPP/IP)との単位振替が可能な科目が多かったこともあり、基本的には一年生の履修パターンを踏襲しました。履修授業は以下のとおりです。(一部通年)
MPA生の必修科目:
Situating Ourselves within Complex Settings
International Macroeconomics and Policy Making
Microeconomics
Statistics and Data Analysis for Policymakers
Seminar in Qualitative Research Methods
Foundational Proseminar
Comparative Public Management
Study Trip
選択科目:
Scenario Planning Analysis for Crisis Prevention and Recovery
EU/Asia in a Comparative Perspective
French

特に興味深かったのはStudy Tripというプログラムです。これはチームごとに与えられるテーマに基づき事前調査・リサーチクエスチョンの設定を行い、現地で利害関係者にインタビューを繰り返すことでクエスチョンへの解答を試みるというものです。調査対象となる地域は毎年変わるのですが、2011-12年度はアジアの二都市(インドのチェンナイ、香港)でした。私のグループは香港の住宅政策というテーマのもと「公営住宅の低価格分譲政策が廃止された理由と、その私営賃貸住宅需要への影響」をリサーチクエスチョンとして設定しました。民間デベロッパーからの圧力が政策廃止の主要因であるとの仮設を立てていましたが、実際に現地で調査を始めると、香港政府にとって土地が意味するもの、当時の住宅需給バランスなど事前調査で見落としていた情報がインタビューから得られ、同政策の廃止から、その再開が議論されている現在までをより多面的に捉えることができました。また調査もさることながら、キルギスタン・メキシコ・ウガンダというバラバラな地域出身の3人と共に(少なくとも外見的には)自身が溶け込みやすい香港という土地で課題に取り組んだこと自体が、「アジア」や「日本」について考える機会を多く与えてくれ、またメンバーの互いの文化・慣習を学ぶ貴重な経験となりました。

グループのメンバーと香港の寺院にて

グループのメンバーと香港の寺院にて

学校生活について

MPAではとにかくグループでの課題が多く課されます。改めて履修科目を振り返ってみると、いかなるグループ課題も課されなかった授業はフランス語の授業だけでした。その上要求される履修科目数が多いため、スケジュールの調整には非常に苦労しました。また人それぞれ「ミーティング開始時間」の捉え方が違ったり(メンバーによっては約束の1時間後にミーティングが始められていれば万歳、といったことも)、責任感の度合いがまちまちであったりもし、お互いのリズムに慣れるまでは戸惑いもありました。しかし学年のみんなと仲良くなっていくにつれグループワークも次第にスムーズになり、課題提出締め切りの嵐をみんなで乗り越えていくうちに、多少のハプニングがあっても動じないたくましさも身に付けられたと感じています。

MPAでの最後の授業終了日、MPA一年生の仲間と

MPAでの最後の授業終了日、MPA一年生の仲間と

印象深かったこと

留学中に大統領選挙が行われ、17年ぶりに社会党への政権交代が起こった際にフランスにいられたことはとてもラッキーだったなぁと思います。連日の報道を追ったり、フランス語の授業では教授と生徒で各国の政治状況を議論したり、家の近所に突如サルコジ氏の選挙事務所が設けられ物々しい雰囲気が漂っていたり、投票が近くなると街角でキャンペーンをしている学生にビラを手渡されそのたびに選挙権を持たないことを残念に思ったりと、今年ならではの経験をたくさん得ることができました。第一回投票が行われた週末にブルターニュ地方を旅行していると、たまたまオランド氏が勝利の喜びに浸って演説をしているところへ出くわしたこともありました。

これから留学される方へ

フランスでは色々な手続きが遅れる/知らないところでストップする可能性があるので、何かがおかしいと思ったらすぐに問い合わせる、納得する答えが得られるまでしつこく諦めずにねばる、そしてそういう事態が起こってもあんまり困らないように早め早めの準備をして心に余裕を持つ、という3点を心がけるといいかと思います。そうすると、何かがスムーズに進むだけで嬉しくなれる、という特典も付いてきます。冗談めいて書きましたが、日本の「手続きはかくかくしかじか、そうすれば◯日間で☓☓ができます」ということがほぼ100%実現する、というきっちりした予測可能性はすごいなあ、と本当に感心しました。

ただ同時に、それに慣れ過ぎるとちょっと予定が狂うだけでイライラしてしまうので、もっとおおらかに構えようかなとも考えさせられました。やや気まぐれなフランス人のそういう人間らしいところ(機械的・マニュアル的な対応ではないところ)は、全体で見れば結構好きだなぁと思っています。

あとは、せっかくフランスに留学しているので学校の外にも世界を持てるといいかもしれません。特にMPAの場合、学校に一歩入るとそこはどこの国でもない(共通言語は英語だがフランス語とスペイン語もたくさん飛び交っている、授業スタイルはアメリカだがフランス人やイタリア人の教授も多い、そもそも生徒があらゆる地域から集まって来ている、などなど)ので、日本文化に興味を持つフランス人学生(シアンスポの学部生は4年間のうち1年を外国で過ごすことが義務付けられているのでそういう学生は一定割合でいます)などを突破口にしてみると、また新しい世界を見られると思います。

一年間ルームシェアをしていました

ルームメイトとそれぞれの友人を招いて開いたパーティーにて