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公法の基層と現代的課題

担当教官

小早川光郎・石川 健治

科目番号

11020

学期

曜日・時限

月曜4限

単位

内容・進め方・主要文献等

講義の目的:既存の法制度を評価し、また新たに法制度を構想する際に必要な、公法の基本的な考え方および概念を講義する。重点的にテーマをしぼり、また現実の具体的な諸問題を素材にして、講義を進める。法学未修者と、学部で公法を一通り勉強した学生で、公法の全体を広い視野からもう一度理解し直そうとしている者とを、対象にする。

講義の内容:本年度の重点テーマとしては、1. 私的自治に対する公的介入 2. 組織法の基礎理論を取り上げることとし、憲法学および行政法学のそれぞれの観点から分析する。予定されている主題の例としては、
1.国家と法、公私・政教・軍民等の「分離」、「権力分立」対「法の支配」 2.政治と法、「代表」、「行政」、「責任」、参加と公法 3.組織法と作用法、「法規」、組織法制定権限 4.国家機関の法的な決定と法的でない決定(閣議決定、通達、要綱、計画、環境基準等々) 5.政策の担い手としての国家行政組織の構造、分担管理原則 6.行政施策と立法(権利義務境界画定規範と案件処理行動規範)、手続法の意味づけ 7.裁量権と裁量義務、公務員の職務義務と配慮義務 8.私的自治に対する公的介入、その態様(刑事法、民事法、行政規制、行政事業、それらの複合)、その選択 9.constitution sociale、不作為の人権侵害、保護義務 10.憲法と経済秩序、Free Trade の憲法的選択 11.職業と労働、起業と企業、所有と利用 12.憲法とコミュニケーション秩序(情報、Code、文化) 13.思想と学芸、信仰と制度

教材等

六法、および判例集(野中俊彦・江橋 崇『憲法判例集』[有斐閣新書]、大橋洋一・斎藤誠・山本隆司『行政法判例集―総論・組織法』[有斐閣])の携行を求める。
そのほか、参考書としては、樋口陽一編『ホーンブック憲法(改訂版)』(北樹出版)、小早川光郎『行政法(上)』(弘文堂)など。

成績評価の方法

筆記試験による。