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国際法基礎理論

担当教官

大沼 保昭・岸  俊光

科目番号

11210

学期

曜日・時限

金曜5限

単位

科目概要

20世紀末に、日本のみならず世界的に重大な問題として論議された「慰安婦」問題には、多様な立場、境遇の人々がかかわったし、現在もかかわっている。本ゼミでは、直接この問題にかかわり、研究、発言、論議、報道、行動した方々をゼミにお招きして体験や主張を語っていただき、それをお聞きし、質疑を重ねることにより、問題を多面的・総体的に理解し、共感し、自己の立場を相対化することに努める。そうした作業を通じて、「人間とは何か」「社会とは何か」「歴史とは何か」という問いをひとりひとりが考えることが、本ゼミの目的である。 ゼミ参加希望者は、教材として指定された上記著作を前もって読み、それに関する短いレポート(2000―3000字程度)を提出すること(提出期限・場所などは3月末ないし4月初めに掲示する)。これはゼミ参加の条件である。ゼミ開始後は、毎回お越しいただく方々(日本政府関係者、学者、ジャーナリスト、アジア女性基金関係者、市民運動にかかわった方々など)のお話をテープに取り、それを原稿化する担当を決める。毎回1名の報告者に2名のゼミ生を割り当てる。ゼミ生は、ゼミ参加者の人数により異なるが、1年間で2−3名の報告者を担当することになる。 通年ゼミだが、毎週でなく、原則月2回の開催で、単位は2単位である。ゼミに来てお話をしていただく方々との日程調整の必要があるので、金曜5限は毎週必ず空けておくこと。月によっては3回の場合もあり得る。 大沼と毎日新聞記者の岸俊光氏(非常勤講師)が共同で担当する、法学部と大学院法学政治学研究科と公共政策大学院との合併ゼミである。ゼミ参加者の負担は多いが、多様な立場、意見の方々と接触できる、やりがいのあるゼミになるだろうと信じている。ゼミに関する指示を掲示することが多いので、見逃さないよう、注意すること。

前提履修科目

成績評価

平常点による。

テキスト

(ゼミ参加前に読んでおくこと) 大沼保昭、下村満子、和田春樹編『「慰安婦」問題とアジア女性基金』(東信堂、1998年)

参考文献

(ごく一部であり、本問題に関する文献は多数に上る。各自、自己の問題関心にしたがって、積極的に探すこと)
吉見義明『従軍慰安婦』(岩波新書)
秦郁彦『慰安婦と戦場の性』(新潮選書)
上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダ−』(青土社)
『論座』2004年2月号「シンポジウム 慰安婦問題再考」(朝日新聞社)
日本の戦争責任資料センター編『シンポジウム ナショナリズムと「慰安婦」問題』(青木書店)
このほか、ゼミに報告者として来ていただく方々の著作や、それらの方々の活動に関する新聞報道記事などを随時指示する。

講義日程

4/16 和田春樹:「慰安婦」問題の歴史
4/30 中嶋滋:償いを韓国の被害者にお渡しした経緯−やり遂げたことと残された課題−
5/14 秦郁彦:ひとりの歴史学者から見た「慰安婦」問題 
5/28 高崎宗司:日韓関係の中での「慰安婦」問題−双方の政府,メディア,学者,NGO, 市民の受け止め方を中心として−
6/11 横田洋三:「慰安婦」問題の国際法的諸側面−国連での議論を中心に−
6/18 上野千鶴子:「慰安婦」問題とオ−ラルヒストリ−

7月以降の報告者についてはゼミ開始後に示す。

その他