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地域政治B(現代南アジア)

担当教官

竹中 千春

科目番号

22071

学期

曜日・時限

木曜2限

単位

科目概要

 (内容)現代南アジアの政治を、同時代の視点と歴史の視点を組み合わせ、国際政治・地域政治・国内政治のレベルの相互作用として捉える。インドだけを見ても、核保有・カシミール紛争・米国のアフガン戦争への協力・反ムスリム暴動など事件が続いている。他面、輸入代替志向の計画経済政策を放棄し、グローバリゼーションの波に乗って経済成長を続け、欧米のみならず中国や東南アジアとも経済的なパイプを拡大している。こうした変化は、この国が、ガンディーの非暴力主義やネルーの社会主義という建国の理念とは異なる目標に向かっていることを示すだろう。具体的には、何が起こっているのか。パキスタン・バングラデシュ・ネパール・スリランカなどとも比較し、民衆の政治に着目して「世界最大の民主主義国」の動態を分析する。

前提履修科目

なし

成績評価

講義の方法としては、講師の話と、自由報告・議論・ビデオ・外部講師を招いた英語の授業などを組み合わせ、なるべく参加型の授業を行いたいと思います。ただし、受講者数に合わせて方法を調整します。
成績評価の形式は、上記の[1]定期試験(60%)、[2]レポート(30%)、[3]議論・報告等での貢献(10%)を総合します。[1][2]の課題をどちらも満たすことが条件です。レポートについては、開講時に詳細を説明しますが、授業に関連した課題を自由に選んで自分で調査研究し、原稿用紙400字x10枚以上にまとめてもらって、期末に提出してもらう形式を取ります。

テキスト

特にテキストは指定しません。以下の参考文献と、教員紹介に載せましたいくつかの論文をご参照下さい。

参考文献

竹中千春「暴動の政治過程」日本比較政治学会編『民族共存の条件』(早大出版会);竹中千春「カシミール」『アジア研究』47巻4号;R・グハ他『サバルタンの歴史――インド史の脱構築』(竹中千春訳、岩波書店);堀本武功・広瀬崇子編『現代南アジア 第3巻 民主主義へのとりくみ』(東大出版会)など。開講時に文献案内を提示します。可能ならビデオや英語文献も使います。

講義日程

授業の構成は以下の通りです。

1.南アジアを21世紀から概観する(4/8)
2.植民地国家の形成(4/15)
3.  反植民地主義ナショナリズムから独立国家へ(4/22、5/6)
3.民主主義:統合と開発の実験(5/13、5/20、5/27)
4.南アジアの地域政治:国際政治と国内政治の間(6/3、6/10)
5.変動の主体:底辺の人々と女性(6/17、6/24)
6.暴力の構図:都市・辺境・国境(7/1、7/8)

*開講後に、若干の変更がありえます。

その他