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政治思想と公共政策

担当教員

苅部 直

科目番号

12030

学期

曜日・時限

月曜5限

単位

内容・進め方・主要文献等

 政治思想上の諸問題は、政策を作り、運用する過程に、さまざまな形で深くかかわっている。これは、いわゆる「公務員倫理」といったような、決定者の心得にとどまるものではない。現場で直面する、個々の課題について選択を迫られるとき、結論に至る筋道は多くの場合、何がいったい「平等」か、人のいかなる「自由」を守るべきか、政府がなすことの限界をどうさだめるか、そもそも「政治」とはいったい何なのか……といった、原理上の問いについて、当面する状況に適したアイディアを見いだす思考作業と切り離せないのである。
 この授業は、担当者の報告と、参加者全員の討論による、演習形式で行なう。毎回、多量の文献(英語)を読むことになるので、時間・金銭・労力の負担はかなり重い。ほかの授業の予習や成績のことを放念して、下調べに専心し、活発に議論する「ノリのよさ」のない人は、受講しない方が、幸せな大学院生活を送れるであろう。授業時間は毎回延長する。
 今年度は、以下のテクストなどを精読しながら、現代の政治状況に始まって、そもそも何が「政治問題」なのか、といった問いまでさかのぼり、議論と考察を深めたい。(詳細は開講時に掲示する。)

  Michael Ignatieff “The Lesser Evil:Political Ethics in an Age of Terror”(Edinburgh University Press, 2004)
  Judith N. Shklar “The Faces of Injustice” (Yale University Press, 1990)

教材等

成績評価の方法

口頭報告+ふだんの授業態度+(参加多数の場合)レポート

関連項目