地域政治Ｂ（オセアニアの政治）

竹田　いさみ

22075

夏

水曜２限

２

  本講義ではオセアニア地域――オーストラリア、ニュージーランド、南太平洋諸国を、国際関係および国内政治・社会変動の視点から検討する。現代オセアニアを理解する際に、歴史的な観点は不可欠であるとの立場から、歴史的考察も行う。
オーストラリアに関する問題関心は、（１）揺れる自画像とアイデンティティ、（２）植民地社会の形成、（３）理想社会の建設と連邦国家建設、（４）ナショナリズムの形成――英帝国と戦争、（５）南太平洋モンロー主義、（６）対外脅威と安全保障、（７）国連外交と冷戦下の外交政策、（８）多文化ミドルパワー外交の生成・展開、（９）メディア、（１０）政党と政治構造などに集約される。事例研究の問題群としては、オーストラリアにおけるアジア系移民・難民の受け入れ問題や定住政策、さらに途上国援助政策がある。
南太平洋諸国に関するテーマとしては、（１）南太平洋フォーラムや太平洋諸国フォーラムの生成・発展、（２）部族・民族紛争と和平構築――パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、（３）オーストラリアおよび太平洋諸島フォーラムなどによる関与などが想定される。

参考文献として、竹田いさみ・森健編『オーストラリア入門』（東京大学出版会、1998年）および竹田いさみ『物語オーストラリアの歴史』（中公新書、2000年）などがある。

レポート等による。