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事例研究(ヨーロッパ統合と法)

担当教員

伊藤 洋一

科目番号

40130

学期

曜日・時限

火曜 4・5限

単位

内容・進め方・主要文献等

 ヨーロッパ統合の大きな特色は,「法による統合」であることである.その結果,ヨーロッパ各国では,国内法の「ヨーロッパ法化」が近年顕著な現象となっており,EC法の影響を無視して加盟国の国内法を研究することは,次第に困難となってきている.しかし,ヨーロッパ法の形成は,決してEC裁判所側から一方的になされてきたのではなく,加盟国の国内裁判所との間の相互的影響のもとに形成されてきたものであって,現実には,国内裁判所の帰趨こそヨーロッパ法の実効性の鍵であることを忘れてはならない.
 下記文献は,EC裁判所と国内裁判所との相互関係に焦点をしぼり,ベルギー,フランス,ドイツ,イギリス,イタリア,オランダの国内裁判所について事例研究を行い,更に横断的な比較研究を試みたものである.下記文献を手がかりとして,EC裁判所と両国の国内裁判所との相互影響関係を具体的に検討することにより,ヨーロッパ法に対する理解を深めることを目的とする.
具体的には,上記の英語文献を,参加者が分担して報告,全員で討論するという形式で進める予定である.
 なお,使用する文献は,性質上,読者が既にヨーロッパ法に関する基本的知識を持っていることを前提として書かれている.また,使用する教材は,英語文献ではあるが,その事例研究の対象となっている加盟国の殆どが英語を公用語としない加盟国である.主題の性質上,各国内法に関する基本的な知識,引用されている国内判例,文献の読解力も必要となろう.

教材等

Slaughter, Anne-Marie, Alec Stone Sweet & J.H.H. Weiler (eds.), The European Courts and National Courts - Doctrine and Jurisprudence: Legal change in its social context, Oxford, Hart Pub., 1998, 320 p.

成績評価の方法

平常点による

関連項目