トップページ > 授業科目 > 事例研究 & 研究論文

事例研究(電子政府と行政空間)

担当教員

城山 英明奥村 裕一

科目番号

40151

学期

曜日・時限

水曜 ・5限〜20:20まで

単位

内容・進め方・主要文献等

 近年、各国の行政における政策形成・実施や行政管理のあり方に関して大きな変容が見られるが、その背景として電子政府化の試みにみられるような技術的条件の変化や、それに伴う制度的条件の変化がある。本事例研究では、今後の行政に不可欠な電子政府の本質と電子政府化が行政の運営のあり方としての行政空間に与えるインパクトを、行政実務関係者と協働しつつ検討する。第1に、準備として、政策形成活動、政策執行活動、政策評価活動、行政事務支援活動などに区別することのできる政策形成・実施と行政管理に関わる行政諸活動とそれを支える組織を、現状に即して、特に政策過程における官僚制の役割に焦点を当てて理解する。  第2に、情報とネットワークに関して、その持つ特性を理解するとともに、政策形成・実施や行政管理に関わる行政空間において情報とネットワークの果たす役割について考察する。第3に、日米の電子政府の歴史と実態を把握して、行政の変容の萌芽(例:米国のナレッジマネジメント、省庁を越えた業務効率化の取組、e-rulemaking)と将来像について考察を進め、とりわけ、行政における知の創造の側面に果たす電子政府の潜在的重要性への理解を深めるとともに、その実現にあたっての問題点を探究する。
 なお、電子政府の実態把握に当たっては各省庁の担当官や現場の政策作成プロセス関係者との意見交換の場を数多く設ける。また、参加者は海外等の事例について報告するとともに、日本の政策形成と電子政府化の実情と課題について共同で調査し、報告することが求められる。

教材等

Jane E. Fountain, Building the Virtual State: Information Technology and Institutional Change (Brookings Institution Press, 2001)、城山英明・鈴木寛・細野助博編著『中央省庁の政策形成過程』中央大学出版部(1999)、城山英明・細野助博編著『(続)中央省庁の政策形成過程』中央大学出版部(2002)、他。

成績評価の方法

「平常点、レポート等による。」

関連項目