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公共哲学と法 シラバス
担当教員 |
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科目番号 |
21050 |
学期 |
冬 |
曜日・時限 |
木曜2限 |
単位 |
2 |
科目概要 |
1 講義の主題・目的 価値観や利害が多元的に分裂競合する現代社会において、公共性とはまた、公私の区別は一体何を意味するのか。そもそもかかる多元的社会において公共性を語ることは可能なのか。公共性の主張は結局、特定の私的利害や私的価値関心を他者に押し付けるためのイデオロギー的合理化装置に過ぎないという批判にいかにして応えうるのか。 多元的社会における公共性なるものが可能だとしても、かかる公共性をもつ価値の形成・発展に対して、法は桎梏なのか、促進条件なのか。そもそも、かかる多元的社会において法が公共的な正統性をもちうるための条件は何なのか。 公共政策の前提となるこのような基本問題について、現代の「公共哲学」をめぐる論議と民主主義と法の支配の関係をめぐる法哲学的論議とを連動させて検討することにより、理解を深化させ、個別政策課題に通底する原理的問題を把捉する能力の練磨を図る。授業方法は、導入のための講義と事前に指定した文献の査読を前提にした討議とを併用する。 |
前提履修科目 |
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成績評価 |
筆記試験による。平常点による。レポート等による。 |
テキスト |
[主教材]井上達夫『他者への自由――公共性の哲学としてのリベラリズム』創文社、1999年;同『法という企て』東京大学出版会、2003年。 |
参考文献 |
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講義日程 |
第1部 公共性の哲学的基礎 第1回:公共性論議の背景と意義 公共性論議の社会的背景と思想的意義・対立構図を概観し、法の機能・正統性基盤の理解の深化にとっての公共性概念の解明の重要性を確認する。 第2部 公共性の制度的保障と法の役割 第7回:法の手続的パラダイム 社会的コミュニケーション過程で生成する市民的公共性を政治的意思決定に転轍する上で法の媒介機能を重視した近年のユルゲン・ハーバーマスの「法の手続的パラダイム」の意義と限界を検討し、動態的な公共性形成過程と法の制度的制御との緊張関係と内的結合関係に関する基本問題を同定する。 |
その他 |
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