地方自治法

担当教員

交告 尚史

配当学期・曜日・時限

冬学期 月曜 2限

内容・進め方・主要文献等

まず、地方自治の歴史、地方自治の保障の性質、地方自治の本旨(住民自治と団体自治)といった地方自治の基礎理論を外国との比較において学ぶ。そのうえで地方自治法の内容を前提として講義を進めるが、条文の逐条解説に止まらず、自治体で生起している現代的問題について受講者がとくに法律面から総合的な考察を行うことができるよう、行政法等の知識との融合を図るように心がけたい。

具体的には、地方公共団体の種類に関して、指定都市・中核市・特例市の区分、都道府県と市町村との関係、特別区の位置づけ、地方公共団体の組合等の事項、また地方公共団体の機関に関して、議会の権限、議会の運営、議員の選挙、執行機関の概念、議会と長の関係、それに監査の仕組みなどを学ぶ。次に、地方公共団体の事務の区分を平成11年の地方分権改革の意義を踏まえて解説する。機関委任事務が廃止されて、主として自治事務と法定受託事務に区分されたことを理解されたい。その事務区分論を踏まえて、都道府県と市町村に対する国の関与および市町村に対する都道府県の関与の仕組みを学習する。国地方係争処理の仕組みおよび自治紛争処理委員の制度にも目を向ける。

この講義で一番力点を置きたいのは、条例論である。2種類の規範(条例と規則)、委任条例と自主条例の区別、都道府県条例と市町村条例の関係などの条例に関する一般論を学んだあと、法律と条例の関係について、裁判例の分析を通して深く学びたい。

さらには、住民監査請求と住民訴訟の仕組みと問題点をも学習する。

教材等

宇賀克也『地方自治法概説』[有斐閣]と磯部力=小幡純子=斉藤誠『地方自治判例百選(第3版)』を教科書とする。参考書として、原田尚彦『<新版>地方自治の法としくみ 改訂版』[学陽書房]を薦める。

成績評価の方法

筆記試験と平常点で評価する。

関連項目