国際租税法

担当教員

増井 良啓宮崎 裕子

配当学期・曜日・時限

冬学期 水曜 4限

内容・進め方・主要文献等

(目的)所得課税の国際的側面を学ぶ。

(ねらい)経済活動がグローバル化する中で、国際課税の問題がますます重要性を増している。そこで、国際取引との関係で特に問題となる所得課税の領域について、日本の国内法と租税条約の骨格を理解するとともに、具体的な取引に伴ってどのような法律問題が生ずるかを予測し分析する能力を養成する。

(進め方)基本的事項のレクチャー、簡単な設問をめぐる議論、具体的な取引事例の分析などを多面的におりまぜる。担当教員の一人はこの分野における実務経験が豊富であるため、既存の書物の枠内におさまらない未知の法律問題に触れることのできる機会となろう。法科大学院との合併であり、法律家を目指す受講者を念頭におく。

第1回 導入 立法管轄と執行管轄、居住地管轄と源泉地管轄、全世界所得課税と国外所得免除など、国際課税の基礎的概念を概観。
第2回 租税条約 国内法と条約の関係、OECDモデル租税条約、租税条約上の紛争処理などについて概観する。
第3回 対内取引1 居住者と非居住者の区分、内国法人と外国法人の区分、国内源泉所得の範囲などについて概観する。
第4回 対内取引2 恒久的施設の意義、事業所得の申告納付、投資所得の源泉徴収などについて概観する。
第5回 事例研究
第6回 事例研究
第7回 対外取引 国際的二重課税、その排除措置の類型、外国税額控除制度などについて概観する。
第8回 国際的租税回避1 タックスヘイブン対策税制、移転価格税制、過小資本税制などについて概観する。
第9回 国際的租税回避2 タックス・シェルター、国際的租税裁定、有害な税の競争などについて概観する。
第10回 事例研究
第11回 事例研究
第12回 復習
第13回 筆記試験

教材等

プリント等を配布する予定。参考文献は随時紹介するが、リストとして、金子宏・租税法(第10版、2005)845〜846頁がある。

成績評価の方法

筆記試験(授業最終回)による。

関連項目