世界貿易体制と国内規制改革−Law vs. Economicsの視点から−

担当教員

石黒 一憲

配当学期・曜日・時限

冬学期 水曜 5限 

内容・進め方・主要文献等

ここ数年続けて来ている、グループ研究を主軸とする演習。ここ数年は、全体を「貿易・投資」、「金融」、「テレコム・知財」、そして「原論」の、4グループに分けて来ている(「原論」グループでは、とくに多種多様な問題が扱われて来ている)。徹底したグループ内・グループ間での討議をする形で運営し、各セッションでの報告・質疑を踏まえた、グループごとの「最終報告書」の作成に至る。テーマ選択等も、最終的には、参加者の自主的判断(グループ討議に基づくそれ)による。WTO/OECD等の国際フォーラムにおける論議と国内規制改革の動向とが、新古典派経済学「的」な単純な論理で進められていることに対して、果たしてそれでよいのかを問う。過去に扱われたテーマは、テレコム・eコマース・暗号政策・金融・知的財産・行財政改革・規制産業の構造分離・郵政3事業・電力・航空運輸・医療・教育・労働・福祉・農業等々、多岐にわたる。とかく、分野毎に問題が異なると思われがちだが、実際に検討してみると、意外なまでの、問題のコア部分の共通性に気づくはずである。「社会全体の利益」と「社会的弱者の保護」への暖かい眼差しが、グループ討議を通して真に覚醒され、諸君の全人格的判断の下に、「市場原理万能主義」・「覇権国家の国際戦略」の渦の中にすべてが巻き込まれているかのごとき現状への、鋭い批判精神が醸成されることを、「きっかけをつくる」にとどまる一教師としては、強く期待する。

教材等

石黒・世界貿易体制の法と経済(2007年・慈学社)、同・法と経済(1998年・岩波)、同・電子社会の法と経済(2003年・岩波)、同・国際摩擦と法[新版](2002年・信山社)、同・グローバル経済と法(2000年・信山社)、等。

成績評価の方法

レポート等による。

関連項目