現代アメリカ外交論の系譜と国内政治

担当教員

久保 文明

配当学期・曜日・時限

夏学期 金曜 3限 

内容・進め方・主要文献等

国内政治との関係に留意しつつ、こんにちのアメリカにおける外交論を分析する。以下のような政治的立場に分けて、それぞれがどのような外交観と国内的支持基盤をもち、どの程度外交政策にどのような経路と手段によって影響力を行使しているかを調査する。

民主党系
 左派・反戦派・反グローバリセーション派
 穏健派、「ニュー・デモクラット」
 強硬派・「リベラル・ホーク」

共和党系
 リアリスト系列ないし中道的国際主義者
 タカ派・レーガン主義者・「力の外交」論者
 新保守主義者
 宗教保守派
 ナショナリスト的孤立主義者・保護貿易主義・反移民主義
 リバタリアン的孤立主義

基本的には文献講読を中心に授業を進めるが、最後の3-4回は履修者による研究報告とする。履修者にはアメリカの政治外交に関する基礎知識が要求され、なおかつ研究者養成コースと同程度の分量の英語文献を講読し、自らの見解を述べ、また英文資料にあたって調査する意欲と能力をもっていることが強く期待される。

具体的には、様々なシンクタンクなどの文書も参考にしつつ、民主党・共和党内の大統領候補による政策提案にも留意しながらセミナーを進めていく。下記のテキストは、民主党による外交論がともするとソフトパワー論に過度に依拠しがちなことを意識し、それを批判するために執筆されている。本年度は、手がかりとしてまず民主党内での外交・安全保障論争に注意を払ってみたい。

教材等

1. Kurt M. Campbell and Michael E. O'Hanlon, Hard Power: The New Politics of National Security (Basic Books, 2006).
2. Progressive Policy Instituteなどによる外交・安全保障論。
3. American Enterprise Institute, Heritage Foundationなどが提唱する外交・安全保障論。

成績評価の方法

平常点(毎回の発言)と研究報告による

関連項目