立法学

担当教員

横畠 裕介

配当学期・曜日・時限

冬学期 金曜 6限(18:50〜20:30) 

内容・進め方・主要文献等

 我が国の立法は、関係省庁が立案し内閣から国会に提出される「閣法」によるものが多数を占めるが、近時、「議員立法」が重要な役割を果たしつつあり、また、各般の政策提案等においても具体的な案を示して新規の立法あるいは法改正を求めるものも多く見受けられる。現実社会において法律によって規律される事柄について、さまざまな問題が発生し、その解決を図るための方策が検討され、具体の法案が立案され、国会における審議を経て法律が生まれるという立法の過程を知ることは、法令の解釈とはまた異なる面から法とは何かを知る上で意義があるとともに、より良い立法を実現するために、また、正しく法令の解釈を行うための前提としても重要である。
 授業においては、我が国において行われている一般的な立法の過程についての説明から始め、刑法、民法、商法等の基本法の改正、中央省庁等改革(内閣の機能強化と省庁等の再編)、安全保障関係法制の整備(自衛隊による国際協力等)、司法制度改革(裁判外紛争解決(ADR)制度、裁判員制度の等の導入、行政訴訟制度の改正等)、競争の導入による公共サービスの改革(市場化テスト)、消費者団体訴訟制度の創設、公益法人制度改革などの近時の多様な立法事例を題材として、審議会の意見書、法律案等の具体的な資料に当たりつつ、それぞれの立案の過程について考究する。併せて、法令を正しく「読む」だけではなく、正確に「書く」能力として必要な法制実務に関する基本的な知識も得ることができるようにする。
 「立法学講義」(大森政輔・鎌田薫編、2006年、商事法務)を基本書とし、「新訂ワークブック法制執務」(法制執務研究会編、2007年、ぎょうせい)を参考に用いる。

教材等

必要な教材は、適宜配布をする。また、メーリングリスト経由で配布することもある。

成績評価の方法

平常点(授業への参加及び発言)及び学期末のレポート(各50%)による。

関連項目