事例研究(外交政策U)
担当教員
大島 正太郎
配当学期・曜日・時限
冬学期 木曜 4,5限
内容・進め方・主要文献等
1. 目標: 日本外交展開の『舞台』である、いわゆる国際社会(あるいは、『国際政治経済;International Political-Economy』) の“現実の姿”についての、より深い理解を図る。
2. 対象: 冬学期は、前期がグローバルな視点から見たのに対し、特定地域(アジア・太平洋地域)および特定産業(繊維貿易、自動車貿易、農業貿易)の現状を具体的事例(ケース)として取り上げ、そこに反映されている国際社会の現実の姿の究明に努める。
3. 方法:
A: 授業では、1)現場での経験を踏まえた実務家の説明、2)学生による特定課題の調査報告、の双方を組み合わせた’双方向’の議論を進め、その上で 3)後半には、模擬多国間交渉を試み、交渉に作用する『力学』(その背後にある各国各地の利害)の理解に努める。
B: 講義項目として、アジア太平洋地域の“構成単位”あるいは対象産業の実態等を取り上げ、各テーマについての学生からの報告を加え討論を行う。
C: 参考文献、教材としては、原典に当ることを基本とするので、各国政府の基本政策文書を英語で読みこなすことが前提。
授業計画
※7月22日更新
主題:グローバルな枠組みとしての「国際政治・経済」の中の「地域主義」;
〜東アジア地域 を焦点に置きつつ〜
履修者は 主要地域(下記2.の1)から6)まで)の内の一つ 及び
東アジアの主要構成員と主要ステークホルダー(日、中、韓、北朝鮮、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ、マレイシア、シンガポール、インド、豪州、米国、ロシア、)の一つを担当、
1.グローバルな枠組みの基礎的要素;
1)地理 (地政学)
2)歴史
3)人口、人口構成、民族
4)経済・エネルギー食糧資源・地球環境
5)軍事力 (核兵器)
1の2 近代国際政治・経済体系 VS 歴史的諸体系
1)ローマ、2)中国、3)イスラム、4)蒙古帝国、5)近世欧州諸国植民地帝国体制
2.主要地域(「地域主義」)概観:
1)欧州、2)ロシア・ユーラシア
3)北米、4)ラテン・アメリカ (sub-regionとしての中米・カリブ)
5)中東 (sub-regionとしてのGCC)6)サブサハラ・アフリカ、
3.東アジア地域;
基礎的要素
域内と周辺ステークホルダーと域外
域内:東北アジア(日、中、韓、北朝鮮、モンゴル)(香港、台湾)
東南アジア
域内と周辺の狭間:
南アジア
豪州、NZ ( PNG, 東チモール、 太平洋島嶼国)
周辺ステークホルダー:
米国、ロシア
4.グローバルな経済情勢と各地域の特徴、東アジア経済の特徴
(4の2 投資と国際金融問題、東アジアの状況)
5.グローバルな、エネルギー・食糧資源問題、地球環境問題と東アジア
6.中東と東アジア:相互依存関係についての考察
6の2 中東と米国、欧州、ロシアとの相互依存関係
7. 東アジアの地域統合:
その1 日中韓
8.その2 ASEAN及びASEANプラスn
9.その3 インド、豪州; APEC; EAS
10.米国から見た東アジア統合; ロシア(ユーラシア)から見た東アジア統合
11.その他地域(欧州、中東、アフリカ、ラ米)から見た東アジア統合
12.模擬「東アジア外交交渉会議」:東アジア統合に向けた基本合意策定準備会議
13.本交渉、最終文書作成
14.交渉結果評価
教材等
原典を中心にするが、具体的には追って指示
成績評価の方法
報告や討論への参加を通じ評価する。