立法学

担当教員

笠井 真一

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 夏学期 月曜1限

内容・進め方・主要文献等

近年、「立法」に対する関心が高まっています。私たちは、好むと好まざるとに関わらず、日常的に多数の法律に囲まれ、守られ、そして縛られています。既に出来上がった法律(実定法)を解釈し、適用する世界は、法律を学ぶ多くの人々にとって身近なものとなっていますが、一方で、その法律を、誰が、どこで、どのようにつくっているのか―――こうした「立法」の世界は、一般の国民はもちろん、法律を学ぶ多くの者にとっても、未知の世界と言えるのではないでしょうか。

本講義においては、まず、近年の立法の動向や、議員立法・政府提出法案の立法過程を概観し、受講者に「立法」に関する新たな基本的な視点を提供します。その上で、現状に対する問題点の発見・把握から始まり、最終的な法律案の完成に至る「法制度設計」の過程について解説します。その際、法令をつくるとは、どういうことか。心構えは。どういう点に配慮し、何に注意を注ぎ、作業を行うのか。法律をつくる際、陥りやすいミスは何か。法律をつくる者を襲う誘惑とは、などの点にも触れていきます。また同時に、法制執務と呼ばれる、法令作成実務における技術的な約束事、ノウハウについても、適宜紹介し、解説していきたいと思います。

実定法の解釈適用の世界から、法律をつくる実務の世界へ、そして、そのことへの理解を通じて、今度は逆に、実定法の解釈適用の世界が更に充実し厚みを増す、そうした両者の架け橋になることを目指します。

参考図書として、「立法学講義」(大森/鎌田編 商事法務)、「新訂 ワークブック法制執務」(法制執務研究会編 ぎょうせい)を用います。

教材等

レジュメ、教材等は、必要に応じ適宜配布します。

成績評価の方法

平常点(出席・発言等)、レポートによります。

関連項目