規制政策

担当教員

松村 敏弘

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 冬学期 水曜3限

内容・進め方・主要文献等

政府による民間活動の規制に関して、規制の意義、規制手法、政策形成における政治的プロセス、規制政策の効果に関する経済学的分析等を学び、規制分野の政策分析を行う能力を養う。

講義は大きく、基本的な分析枠組みを学ぶ第1部と、日本における具体的な規制と産業構造を学ぶ第2部に分かれる。

第1部では、基礎となる経済理論を概観し、この分析道具を駆使して、規制政策の背後にある基本的な原理を経済学的に明らかにする。ここで扱うトピックは、混雑料金、ピークロード料金、ラムゼイ料金、規制の政治経済学、公正報酬率規制、プライス・キャップ規制とインセンティブ規制、情報の非対称性のもとにおける規制政策である。

第2部では、エネルギー、情報通信、石油、運輸産業などの具体的な規制産業を取り挙げて、なぜそもそも規制が必要か、規制がどのような経済効果を持つか、現行の規制の問題点は何か、望ましい規制の体系はどのようなものであるか等を解説する。更に産業横断的な環境規制、安全規制の問題、及びエネルギー・情報通信・運輸・環境にまたがる総合的な社会変革であるスマートグリッド、スマートエネルギーシステム、スマートコミュニティという発想についても取りあげる。

ミクロ経済学の知識が前提となる。競争政策と産業組織の講義を合わせて受講することが望ましいが、産業組織・競争政策の基本的な知識がなくても理解できる講義を目指す。

教材等

教科書:Economics of Regulation and Antitrust, 4th EditionW. Kip Viscusi, Joseph E. Harrington , and John M. Vernon, 2005.

基本的には担当教員のHPからダウンロードできる講義資料を使って講義します。

成績評価の方法

筆記試験及び平常点による。具体的な評価方法は、第1回目の講義で詳細に説明する。

関連項目