医事法

担当教員

樋口 範雄児玉 安司

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 夏学期 火曜2限

内容・進め方・主要文献等

医事法に関する基本的な項目を取り上げ、それぞれを具体的問題に即して考えることにする。医事法は、法学部では近年開講されたものであり、それは何のためのものか、医療の問題に法が介入するとは何を意味するかを、さまざまな問題を取り上げながら考えていくことにしたい。

授業は、医事法判例百選を教科書として、そこに取り上げられた判例を読み直すことにする。幸い、児玉さんは医師であり弁護士でもあって、実際の医療裁判にも多数関与しているので、彼との談論を中心にして、医療と法のあり方を考える機会とする。素材は実際の判例とするが、さらにそこから発展させて、たとえば、以下のような問題をあらためて考えることにしたい。

61歳の大学教授Aさんは、授業中ふらっとして意識を失いそうになり、一過性のものではあったが心配で病院に検査入院した。すると、動脈瘤が発見された。破裂すれば大事であるが、破裂する確率は4割、破裂しない確率が6割だという説明を受けた。動脈瘤を取り除く予防手術は2種類あるが、それぞれにリスクもある。このような説明を30分以上にわたって受けた。セカンド・オピニオンはとらず、またセカンド・オピニオンをとってみたらという示唆もなかった。結局、様子をみることにして退院することにしたところ、退院の翌日、動脈瘤が破裂し死亡してしまった。

遺族はこの病院と医師を訴えるつもりでおり、法律学を学ぶあなたに相談を持ちかけてきた。どのように答えるべきだろうか。

教材等

【教科書】

医事法判例百選 別冊ジュリスト (有斐閣・2006年)

【参考書】

樋口範雄 医療と法を考える―救急車と正義(有斐閣、2007年)同 続・医療と法を考える―終末期医療ガイドライン(有斐閣・2008年)手嶋豊 医事法入門(有斐閣、第2版、2008年)

成績評価の方法

試験による

関連項目