地域政治A(バルト3国の政治)

担当教員

志摩 園子

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 冬学期 火曜1限

内容・進め方・主要文献等

本授業は、20世紀後半にはソ連邦の構成社会主義共和国であったが、現在では、独立を回復し、EU,NATOの加盟国となっているバルト三国について、その政治を中心に考える。その前提として、バルト三国の歴史的背景や文化的な発展にも目を向けることは重要である。バルト三国とは、バルト海東南岸に位置するエストニア、ラトヴィア、リトアニアで、これら三国は1918年に国家独立を果たしていた。しかし、第二次世界大戦期に、ソ連、ナチス・ドイツの占領を経て、ナチス・ドイツの敗退と共に再びソ連の支配下となっていた。これは、国際社会での小国・小民族による「民族自決」や「国家の存続」について多くのことを考えさせてくれる。

授業では、映像や資料等を示しながら、なぜ、バルト三国が、「バルト」として一つの単位のように取り扱われるのか。他方、思い浮かぶのは、果たして、本当に一つの単位として共通性をもつのだろうか。このような疑問に応えるべく、政治や現状にみられる共通点や相違点をみていく。また、「バルト」の概念についての考察は、概念の歴史的な変遷を通じて考えてみると、バルト三国の置かれている政治状況を示している。

授業では、ヨーロッパの大国ロシアとドイツに挟まれてきたバルト三国の状況を理解することを通じて、国際秩序に小国がどのような役割を果たしうるかについて、履修者と議論する場を作りたい。

文献は適宜紹介する。

教材等

資料等、適宜配布する。

成績評価の方法

平常点(小レポート等)で評価する。

関連項目