地域政治B(現代南アジアの政治)

担当教員

竹中 千春

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 冬学期 木曜2限

内容・進め方・主要文献等

内容

現代南アジアの政治を考える。まず、地域大国インドを検討する。地域大国インドは、1990年代初め社会主義国家としての挫折を味わったが、その後グローバリゼーションと開発の波に乗り、今やブラジル・ロシア・中国とともに21世紀の世界経済を牽引すると言われる。そうしたインドの道のりを、19世紀からの歴史と同時代の視点を組み合わせて分析する。また、内戦・対テロ戦争・平和構築あるいは民主化を経験したネパール・スリランカ・パキスタンを、比較の視点から分析し、南アジアの地域政治を把握する。

授業の進め方

具体的な授業計画は開講時に指示する。
1. 現代南アジアの政治:国際政治・地域政治・国内政治の間
2. インドの歴史[1]自由主義の帝国支配
3. インドの歴史[2]反植民地主義ナショナリズムの展開
4. インドの歴史[3]植民地国家から国民国家へ
5. インドの同時代[4]民主主義と政党制のダイナミズム
6. インドの同時代[5]暴力の構図:都市・辺境・国境
7. インドの同時代[6]変動の主体:底辺の人々と女性
8. 小国の政治[1]紛争・平和構築・民主化:スリランカとネパール
9. 小国の政治[2]冷戦・対テロ戦争・イスラム国家:パキスタン
10. グローバリゼーションの中の南アジア

教材等

竹中千春「多国間主義の中のインド」大矢根総編『東アジアの国際関係』(有信堂高文社)
竹中千春「インド:貧しさと民主主義の競合」『アジアの政治経済・入門』(有斐閣)
竹中千春「平和構築とジェンダー」『平和政策』(有斐閣)
竹中千春『世界はなぜ仲良くできないの?暴力の連鎖を解くために』(阪急コミュニケーションズ)
竹中千春「暴動の政治過程」日本比較政治学会編『民族共存の条件』(早大出版会)
R・グハ他『サバルタンの歴史―インド史の脱構築』(岩波書店)。

資料として、ビデオ・DVD・英語文献も使う。

成績評価の方法

筆記試験による。

関連項目