発展途上国の政治

担当教員

大串 和雄

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 夏学期 水曜2限

内容・進め方・主要文献等

この科目は、発展途上諸国の国内政治の構造と力学を広い意味で理論的に理解することを目的とする。授業は講義形式で行なう。

「I 序論」の後、「II 近代化と発展」、「III 政治体制と政治変動」において発展途上国を理解するための概念や理論について学ぶ。「IV 紛争と暴力」においては、政治的暴力の実態と力学を考察する。なお、本講義で紹介される理論には、もともと欧米諸国を素材として発展してきたものも含まれる。

講義で扱う予定の内容には以下のことがらが含まれる。比較政治とは何か、近代化理論とその批判、Stateとは何か、市民社会、「強い国家」と「弱い国家」、Nationとは何か、ナショナリズムの形成・性質・機能、エスニシティ、自由民主主義体制、全体主義体制、権威主義体制、「開発独裁」、「民主化」の意味、民主化の原因、人権侵害のパターン、普通の人びとはいかに拷問・虐殺を行なうに至るか、人権侵害の正当化、反革命戦争ドクトリン、民族紛争の原因と力学。時間が許せば人権侵害に関連したDVDを見ることを予定している。授業の詳しい内容について知りたい人は、Eメールでリクエストしてくれれば、原則として前年度のレジュメを添付ファイルで送付する(一太郎文書300KB程度またはワード文書1500KB程度)。リクエストの際には必ずファイルの形式を明記すること。リクエスト先は<ohgushi@j.u-tokyo.ac.jp>

本講義には理論的・抽象的な部分が多いため、それが引照している現実のイメージが乏しければ、充分な理解が困難である。それゆえ、履修者の諸君は、少なくともいずれかの発展途上地域の政治について、少なくとも1〜2冊の本を読んでおくことが望ましい。

教材等

テキストは使用しない。参考文献は授業中に指示する。

成績評価の方法

期末試験が約80%、出席点が約20%。

関連項目