先進国の比較政治

担当教員

中山 洋平

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 冬学期 金曜1限

内容・進め方・主要文献等

この講義は、西ヨーロッパや日本など、先進諸国における政治のあり方とその差異を理解し説明することを目的とする。

先進諸国の政治は、経済のグローバル化や地域統合の中で、収斂に向かっているように見えるかもしれない。しかし実際には、なお各国毎に歴史的起源を持つ様々な特徴が深く刻み込まれており、同時代の《ヨコ》の比較と同時に《タテ》の歴史的文脈を踏まえることが肝要である。

この講義では、なるべく多くの国・時期の事例を踏まえた上で、各国毎の共通性と差異、変動の過程と原因などを捉えるのに有用な概念・分析枠組を紹介し、これに従って、日本など、各国のケースを比較の視座の中に位置付けていく。

例年、西欧諸国を主たる分析対象としてきたが、今年度は、実験的な試みとして、フランス、イタリア、日本三カ国の第二次大戦後の政治発展を比較することを主たる目標とする予定である。

政党、社会運動、職能団体、官僚制など、主要なアクターについて、その行動や構造変動を理解するための分析枠組を概観しつつ、主として日仏伊三カ国が共通性を持ちながら、なぜ歴史的発展の経路が分岐していったのかを説明する。詳細な内容は講義の冒頭に示す。

教材等

教科書は用いないが、川人貞史ほか『現代の政党と選挙』(有斐閣、2001年)、新川敏光ほか『比較政治経済学』(有斐閣、2004年)、曽我謙吾ほか『比較政治制度論』(有斐閣、2008年)は必要に応じて参照する。
煩雑な西ヨーロッパ諸国の現代政治を簡潔に整理する便覧として、馬場・平島編『ヨーロッパ政治ハンドブック』(東京大学出版会、2003年:改訂版が今年度中に刊行予定)を強く薦める。

参考文献は随時提示する。

成績評価の方法

筆記試験による

関連項目