経済と安全保障の交錯

担当教員

藤原 帰一

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 夏学期 月曜5限

内容・進め方・主要文献等

国境を越えた経済活動の拡大は、安全保障に関わる政策選択をどのように変えるだろうか。これまで、リベラリズムの立場からは相互依存の進展による費用対効果の変化が指摘され、リアリズムの立場からは経済と安全保障という争点領域を問わない権力闘争の継続が指摘されてきたことはよく知られているだろう。だが、経済と安全保障の交錯に関する理論も実証も必ずしも発展しているわけではない。むしろ、国際政治と国際政治経済という二つの研究領域の間で、この重要な論点が取り逃される傾向もあった。この演習は、その課題に取り組むリサーチセミナーである。

第一部では、主に理論的な文献の購読を通して、紛争の発生、紛争解決の方法、さらに戦争勃発の蓋然性など、経済と安全保障の交錯に関わる多様な論点について討論を行う。第二部では、具体的な事例に則して、市場統合の進展と安全保障政策の変化を結びつけることができるのか、特に東・東南アジア地域について議論を行う。ここでは、参加者が班に分かれて、具体的な調査に基づいた報告を行うことが目的である。最後に、2010年9月に合宿を行い、この合宿において各自が執筆した論文を報告する。

本演習では参加者を選抜する。応募を希望するものは、経済と安全保障の交錯についてどのような仮説を立ててどのような事例について検討したいか、800字以内でワード文書もしくはテキストファイルを作成し、<kkfujiw@attglobal.net>までメールに添付して送ること。締め切りは4月12日とする。

教材等

当方で作成する

成績評価の方法

平常点とレポートなどによる

関連項目