金融システムと金融行政
担当教員
単位数・配当学期・曜日・時限
2単位 冬学期 火曜5限
内容・進め方・主要文献等
【目的】
2008年秋、金融システムは危機に陥り、各国政府は異例の対策を実施することで辛うじてシステムの崩壊を回避した。また、我が国はバブル崩壊後、10年以上に渡り巨額の不良債権問題に苦しみ、深刻な金融危機も経験した。
金融システムの安定は、国民生活の安定と経済成長に不可欠であるが、経験が示す通り、実現は容易でない。金融システムの安定確保、利用者保護等のために、どのような政策が必要、適当、可能か。これまでの経験や研究を通して多くのことを学んできたが、新たな問題が次々を発生し、今も国際的に活発に様々な議論が展開されている。
金融システムに係る政策はどこかに確定的な正解があるわけでなく、各国当局は常に現実と将来を見据えた適切な対策を考えて実行していくことが求められている。行政官には専門知識とともに高い企画立案能力が求められている。本講義では、具体的な課題と政策等を議論することを通じて、参加者が実践的に政策を考える力を養うことを目的に進めていきたい。
【進め方】
前半で基本的な知識を習得した上で、後半、今後の課題等を議論する。
I 序論 ― 基礎知識
○ 金融制度等の概要
○ 我が国の経験と政策
○ 2008年の金融危機と各国が講じた対策、課題
II 今後の金融システムの課題と政策
○総論 − 課題の全体像・見取り図
○各論[1] − 金融システム全体のあり方をどう考えるか
○各論[2] − 安定確保の対策(銀行規制のあり方、マクロプルーデンス等)
○各論[3] − 市場規制の問題(証券化の問題、格付け機関に対する規制等)
○各論[4] − 検査監督の課題
○各論[5] − 地域金融問題
教材等
教科書は特に使用しない。
参考文献を、講義の中で適宜、指示する。
成績評価の方法
期末試験及び平常点による