事例研究(ミクロ経済政策・政策分析入門 III)

担当教員

松村 敏弘戒能 一成

単位数・配当学期・曜日・時限

2単位 夏学期 水曜2限

内容・進め方・主要文献等

政策分析の入門として、公共政策大学院1年生に対して提供され、料金規制をはじめとする公益事業規制と、エネルギー・情報通信・交通・環境政策の政策評価に関する具体的な経済政策事例を用いた事例研究を行う。事例としては、下記のような規制産業における価格・料金や約款制度に関連した問題について、その経済学的な効果や影響を定量的に分析し、これらの制度の妥当性や代替制度の可能性などについて議論する。

・自由化政策の価格・料金への影響評価(電力・ガス・通信・航空)
・自由化分野・規制分野の混在下における費用配賦問題(電力・ガス)
・従量多段階料金と社会政策・省エネ政策問題(電力・ガス)
・固定料金約款(いわゆる「使い放題」料金)の問題(通信・ガス)
・低公害機器・自動車向優遇料金制度の問題(電力・ガス・有料道路)
・混雑期・時間帯別料金やDSM(Demand-Side Management)の問題(電力・ガス・通信)
・完全独占料金と赤字補填問題(水道・公営交通)

分析のアプローチについては、余剰分析による経済厚生評価を基本とし、各種の前提条件の相違や政策の実施・不実施などを与件とした上でシミュレーションによる定量的な比較分析を行う。

テーマについてはまず教員サイドから上記のような具体的テーマ案を複数提示し、更にそれらに関する基礎的な情報を提供する。この後学生がテーマを選択し実際の分析に入る。言うまでもなく、提供したテーマ案のなかからテーマを選択することを強制されるのではなく、議論を通じ参加者がテーマを自ら考え設定することも可能であるし、期待もされている。参加者は公共政策大学院1年生に限定するが,経済政策コース以外の学生も歓迎する。

成績評価の方法

レポート、プレゼンテーション、平常点等による。

関連項目