フランス法の基本的諸問題

担当教員

北村 一郎

単位数・配当学期・曜日・時限・使用言語

2単位 / 夏学期 / 月曜5限 / 日本語

授業の目標・概要

フランスでも現在,債権法改正の準備が進行しており,いくつかの草案が発表されている。そのなかの第3の草案たる通称テレ草案の趣旨説明の一部を読んでみよう。
この改正の運動は,民法典200年記念(2004年)を契機として急速に表面化したもので,2005年9月には民法学者を中心とする通称カタラ草案が発表され,次いで,2008年7月には司法省独自の草案,やや遅れて,学士院会員たる民法=法哲学者の主導のもとにこのテレ草案が発表され,現在は,伝え聞くところでは単独の学者による言わば総合的な省察が進行中とのことである。

授業のキーワード

フランス法, 民法典, 契約法, 改正草案, 文献講読演習

授業計画

テレ草案の対象は, 契約法総論の範囲に限定されたものであるとはいえ,改正草案(しかも外国法の)そのものを本格的に検討することは,演習の枠組では時間的制約からして困難であり,ここでは,従って,本書中の論稿のいくつかを文献講読の素材として用いつつ,改革の大きなコンテクストの理解を深めることを目的に掲げるにとどめざるを得ない。

授業の方法

フランス法学論文の正確な講読の趣旨から,割当は決めず,全員の予習に基づいて全員に当てて読んでいく方式をとる。毎回に読める量は数頁程度であろうが,若干の時間延長も前提とされたい。

成績評価方法

平常点の総合的評価。

教科書

教材として(プリント配布予定),
François Terré (sous la dir. de), Pour une réforme du droit des contrats, 2009.

参考書

-北村一郎「作品としてのフランス民法典」同編『フランス民法典の200年』有斐閣,2006,1-60頁。
その他については, 授業で随時指示する。

関連項目