信託法
担当教員
樋口 範雄 / 神田 秀樹 / 折原 誠
単位数・配当学期・曜日・時限・使用言語
2単位 / 冬学期 / 火曜3限 / 日本語
授業の目標・概要
信託制度は、英米で財産の管理・承継制度(民事信託)として発展してきた制度です。我が国では主として金融分野で資産の運用・流動化制度(商事信託)として発展してきましたが、少子高齢社会を迎えて高齢者の資産管理や承継のためにも利用されることが期待されています。
平成18年の信託法の全面改正で、これまでの民事信託を前提とした信託法から民事信託と商事信託を包括的に規定する信託法になりました。そこで、新しい信託法全体を体系的に解説するほか、信託業規制一般法である信託業法や貸付信託法、投資信託法、資産流動化法等の商事信託特別法についても、金銭信託、投資信託、年金信託、流動化信託等の各種の信託業務を適宜取り上げながら解説します。
授業のキーワード
信託, 信託法, 信託業法, 受託者責任
授業計画
1.日本の信託法制の特徴:英米法からの視点
2.信託の基本的法構造、 信託の歴史
3.信託の成立と信託財産
4.受託者
5.受益者・受益権、 信託管理人・信託監督人・受益者代理人
6.信託の変更・併合・分割、信託の終了・清算・破産
7.委託者、遺言代用信託・後継ぎ遺贈型受益者連続信託
8.受益証券発行信託、限定責任信託、自己信託、受益者の定めのない信託(目的信託、公益信託)
9.民事信託と商事信託(商事信託の特性等)
10.商事信託と信託業法―信託業と信託業規制―
11.運用型商事信託と投資信託法
12.流動化型商事信託と資産流動化法
13.預金型・事業型商事信託、全体のまとめ
授業の方法
講義形式
成績評価方法
筆記試験による。
教科書
講義レジュメ・資料等をその都度配布する。
参考書
道垣内弘人「信託法入門」(日経文庫・2007)
樋口範雄「入門・信託と信託法」(弘文堂・2007)
田中和明「信託法務」(清文社・2010)
佐藤勤「信託法概論」(経済法令研究会・2009)
天野佳洋=久保淳一「信託と信託ビジネス」(学陽書房・2008)