カールシュミット『政治的なるものの概念』を読む(II)
担当教員
石川 健治
単位数・配当学期・曜日・時限・使用言語
2単位 / 冬学期 / 木曜5限 / 木曜6限 / 日本語
授業の目標・概要
本演習は、ワイマール期ドイツの法学者カール・シュミットの古典的著作『政治的なるものの概念』を、ゆっくりと時間をかけて読むことを目標とするものである。
シュミット解読の見地からは、広く流布している1932年版のテクストを無批判に受容するのは適切ではない。また、同版については(一面ではきわめて有益な)自己註釈が戦後に付されているが、それに基づく、原典とは異なるオーケストレーションに拠って、遡及的に原典テクストを解釈するのは、一層危険である。
そこで、まずは1927年の第1稿を底本とした研究を先行させ、そのうえで最も流布している1932年版に取り組んできた。今学期もまた、その作業を継続することになる。
授業のキーワード
カール・シュミット, 憲法学, 政治思想, ワイマール, ドイツ, 20世紀
授業計画
原典のうち、今学期の演習で取り上げる予定の箇所については、初顔合わせの際に具体的に説明することにしたい。
ワイマール期の公法学を読み解くためには、「黄金の20年代」のドイツ文化全般への顧慮が必要不可欠であり、そうした観点から本演習は、総合文化研究科の院生諸君にも広く参加を呼びかけ、駒場キャンパスで行われてきた。
最も流布している1932年版を読み直す作業を、前学期に引き続いて行うことになるが、今学期から新規に参加を希望される方を、ゼミナリステン一同、心より歓迎している。
授業の方法
演習形式による
成績評価方法
平常点による
教科書
Carl Schmitt, Der Begriff des Politischen, Archiv für Sozialwissenschaft und Sozialpolitik, Bd. 58, 1927, S. 1ff.
Ders., Der Begriff des Politischen : Text von 1932 mit einem Vorwort und drei Corollarien, 3. Aufl., 1963.