国際政治理論

担当教員

石田 淳

単位数・配当学期・曜日・時限・使用言語

2単位 / 夏学期 / 金曜4限 / 金曜5限 / 日本語

授業の目標・概要

 ある主体の「権力(power)」は、相手に、《本来実行したくないことを実行させる、あるいは本来実行したくないことを実行させる使役的能力》として捉えることができるように、ある主体の「コミットメント(commitment)」は、当該主体が《本来実行したいことを自制する、あるいは本来実行したくないことを実行する》という自己拘束的な予告として理解できるだろう。モーゲンソー流に権力行使の一形態として外交を捉えるならば、その本質は、約束や威嚇というコミットメントを通じて相手を自らの望む方向に誘導することにある。しかしながら、外交がしばしば破綻するのは言うまでもない。なぜか。
 結果を実現するうえで複数の主体が相互に依存しあい、特定主体がその目的を実現できるかどうかは他の関係諸主体の行動選択に依存するような状況(戦略的相互依存状況すなわちゲーム状況)において、権力行使およびその抑制のメカニズムとはどのようなものか。また、関係主体の信頼できるコミットメントの有無は、政治の帰結をどのように左右するのだろうか。
この授業では、このパワーとコミットメントという二つの基礎概念を中心に据え、外交論を国際政治学の中に定位することを目指す。なお、ゲーム理論の分析手法については、講義形式の解説も行う。

授業のキーワード

国際政治, ゲーム理論, 外交

授業の方法

講義および演習

成績評価方法

教室での議論に対する知的貢献および小論文(課題についても開講時に指示する)を総合的に評価する。

教科書

開講時に指示する。

関連項目