事例研究(経済財政政策I)

担当教員

杉本 和行

単位数・配当学期・曜日・時限・使用言語

2単位 / 夏学期 / 木曜4限 / 日本語

授業の目標・概要

1、2008年9月のリーマン・ショックを契機とした世界金融危機及びこれに連鎖して生じた世界同時不況は、世界経済に多大な困難を招来した。こうした、事態に対応するためには、財政・金融政策の国際協調など従来にない大きな経済財政政策の展開を必要としたが、その後の世界においては欧州におけるソブリンリスク問題、為替問題、日本における財政状況の更なる悪化などの多くの課題が顕在化している。
2、本授業においては世界経済危機に到る要因およびメカニズムについて分析したうえで、日本及び主要国で実施された財政・金融政策について、その決定過程やメカニズムさらに政策の効果、問題点について検証、総括する。
3、そのうえで、現在の経済・財政状況、さらには日本における政権交代といった政治状況の変化をも踏まえ、日本の経済・財政が直面する課題を明確化し、今後の政策対応についての具体的な検討を行う。

授業のキーワード

経済・財政の課題, 政策対応についての具体的な検討, 財務省事務次官, 世界金融危機, 財政政策, 金融政策

授業の方法

担当教員は2009年7月まで財務省事務次官として経済・財政に携わったものであることから、実務経験を踏まえた講義と具体的な政策課題についての学生による発表・議論を組み合わせる。また予算・税制、金融等に関する政策実務担当者を適宜、外部講師として招くこととする。

成績評価方法

平常点及びレポート提出等による予定。

教科書

講義資料を適宜配付する。

参考書

・経済成長と財政健全化の研究―持続可能な長期戦略を求めて
   貝塚啓明+財務省財務総合研究所編著 中央経済社 2010年10月
・図説日本の財政 平成22年度版 迫田英典編著 東洋経済新報社
・図説日本の税制 平成22年度版 諏訪園健司 編著 財経詳報社
・財政と法的規律―財政規律の確保に関する法的枠組みと財政運営
   杉本和行 財務省財務総合研究所フィナンシャル・レビュー
・アジアにおける通貨金融秩序、新国際通貨金融秩序と日本―今後の国際通貨金融制度の課題 
   杉本和行 ジュリスト2011年3月号

履修上の注意

参加者は経済政策コースのみならず、他のコースの学生も可能。

関連項目