混合体制と競争的権威主義

担当教員

大串 和雄

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 冬学期

授業の目標・概要

1970年代に始まった民主化の第三の波を受けて、2000年代以降には、民主制と非民主制との中間的な体制(混合体制)や、権威主義体制の中でも半競争的な選挙が体制維持に重要な意味を持っている体制(競争的権威主義)に対する注目度が増している。本科目は第1に、下記テキスト①~③を輪読することを通じて、混合体制の研究状況とその問題点を考察する。第2に、下記テキスト④の輪読によって、競争的権威主義概念の意義を理解し、なぜ一部の競争的権威主義国が冷戦後に民主制に移行したのかを批判的に考察する。

授業のキーワード

混合体制,競争的権威主義,権威主義,民主化,政治体制,比較政治

授業計画

混合体制とは何か。民主化研究から混合体制への注目へ。混合体制研究の現状。競争的権威主義とは何か。競争的権威主義から民主制に移行する原因は何か。

授業の方法

履修者は全員が毎回、平均48ページのテキストを読み、コメント・質問を提出する。また、当番制でレジュメを提出する。授業はあらかじめ提出されたレジュメおよびコメント・質問の検討を中心に行なう。授業は原則として毎回延長するが、用事がある者には定時の退出を認める。3月には1~2泊の合宿を行なう。合宿では履修者は、混合体制または競争的権威主義に関連した報告を行なう。

成績評価方法

課題の提出と内容、および授業への参加状況による。

教科書

①L. Diamond, "Thinking About Hybrid Regimes," Journal of Democracy, 13(2), April 2002, pp.21-35. ②H. Zinecker, "Regime-Hybridity in Developing Countries," International Studies Review, 11(2), June 2009, pp.302-331. ③L. Gilbert & P. Mohseni, "Beyond Authoritarianism: The Conceptualization of Hybrid Regimes," Studies in Comparative International Development, 46(3), September 2011, pp.270-297. ④Steven Levitsky & Lucan A. Way, Competitive Authoritarianism: Hybrid Regimes after the Cold War (Cambridge University Press, 2010), xviii+517pp.

参考書

特になし。

履修上の注意

 使用テキストは各自で早めに入手すること。なお、文献①~③は東大内の端末からダウンロードできる(②は現物も法学部図書館にある)。
 初回(10月5日)の授業には必ず出席すること。履修人数を早めに把握する必要があるため、万が一初回の授業に出席できなかった場合には、10月10日までにメールで履修の意思を伝えること。初回に欠席し、かつ履修の意思表明もなかった場合には、履修登録しても履修を認めないことがありうるので注意されたい(法学政治学研究科および法学部と合わせた履修希望者が演習室の収容可能人数を超えた場合)。

関連項目

Courses