不動産証券化と社会資本ファイナンス
担当教員
単位数 / 使用言語 / 配当学期
2単位 / 日本語 / 冬学期
授業の目標・概要
不動産証券化は、金融資産と不動産とを結び付けることによって国民経済の自律循環的な発展を促す役割を担う。また不動産投資にかかる情報の非対称性を縮減し、個人や海外からの投資を容易にする。さらに市場機能と市場規律を生かしながら、資金と不動産の効果的かつ効率的利用を図るものである。特に財政危機の下で、国や地方自治体が既存のインフラストラクチャアを維持更新しながら、少子高齢化や低炭素社会に対応した都市構造を実現するためにPFI/PPP等官民連携による社会資本整備をすすめるための重要な手法のひとつである。
本科目では、このような不動産証券化をはじめとする社会資本整備のための新たなファイナンス手法の全体像を俯瞰し、もって不動産や金融に関する法制度の立案や経済政策の形成・実施に資するための基本的な知識の習得を目的とする。
授業のキーワード
リート,ノンリコースローン,PFI,官民連携,コンセッション
授業計画
以下の具体的テーマについて、講義とディスカッションを行う。
○不動産証券化の基本構造とJリート(不動産投信)の実際と課題
○ファイナンス理論の基礎とアセットファイナンス(ノンリコースローン・ストラクチャードファイナンスの金融技術)
○社会資本ファイナンス(自発的公共財の供給、PFI、コンセッション等)
○少子高齢化社会の下での公共資産管理(PREなど)
○長寿社会の住宅・まちづくりと財源調達・公的支援のあり方
授業の方法
一般講義形式(一部テーマについては実務家講師を招聘)
成績評価方法
期末レポートおよび授業参加(出席、出席カード記載、発表等)
教科書
教科書は使用せず、講義毎に講義用資料を配布。
参考書
不動産証券化協会編著『不動産証券化の基礎知識』
内藤伸浩『アセット・ファイナンス』
中川雅之『公共経済学と都市政策』