社会安全政策論

担当教員

横内 泉

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

社会安全政策論とは、犯罪を中心とした人に起因する危険から個人や社会を守るための政策を扱うもので、警察行政はもとより、警察以外の刑事司法関係行政、児童や女性の安全等に関わる教育・福祉関係行政、安全な公共空間の設計等犯罪の起きにくい環境形成に関わる行政、さらには、広く企業や非営利団体、地域社会、国際機関の活動なども対象とする。
本講では、社会の安全確保に携わる実務家の観点から、犯罪をその主体や客体等からいくつかの類型に分けて発生状況や原因・背景等をデータに基づき検証した上で、これらの犯罪から個人や社会を守るために、いかなる政策が現に展開され、また、今後どのような政策があり得るのかを検討する。その際、特に社会の安全確保に伴う公的・私的なコスト、相反する権利・自由間の調整等をどのように考えるかという視点を重視する。

授業のキーワード

社会安全政策,安全・安心,警察,治安,犯罪,捜査,刑罰,被害者,刑事司法,防犯環境設計,犯罪対策閣僚会議,犯罪に強い社会の実現のための行動計画,配偶者暴力(DV),ストーカー,児童虐待,性犯罪,児童ポルノ,少年非行,いじめ,振り込め詐欺,生活保護・不正受給,サイバー犯罪,暴力団,薬物,銃器,外国人犯罪,テロ

授業計画

社会安全政策論のガイダンスの後、当初の数回は、総論として、犯罪情勢の推移、社会の安全を担う主体、犯罪捜査と刑事司法制度、犯罪予防の理論と我が国における展開、犯罪被害者支援等について講義する。
その後、各論として、主な犯罪類型ごとに概観していくが、あらかじめ履修者が興味関心のあるテーマを聴取し、それを踏まえて発表テーマ及び発表者を決定し、講師による講義と並行して発表及びそれに基づく議論を行う。
現時点で講師が取り上げることを想定しているテーマの候補は、以下のとおりである。
・安全・安心まちづくり(地域社会との連携、防犯環境設計等)
・犯罪被害者支援
・近親者間の犯罪(DV、ストーカー、児童虐待等)
・子どもと女性を犯罪(性犯罪、児童ポルノ等)から守る施策
・少年非行(いじめ問題を含む)
・高齢者を狙った犯罪(振り込め詐欺、悪質商法等)
・生活保護の不正受給事犯対策 
・サイバー空間の安全確保(サイバー犯罪、サイバーテロ、サイバーインテリジェンス等)
・暴力団対策
・来日外国人犯罪
・国際テロ対策

授業の方法

講義には、講師が警察実務において経験した事例をできる限り取り入れる。また、一方的な講義形式だけでなく、主なテーマについて発表者を指定し、資料作成及び発表を求めるとともに活発な議論を期待する。このほか、警察署の視察も計画している。

成績評価方法

授業で発表したテーマに関する期末レポートを主に、発表及び授業参加を勘案する。

教科書

使用しない。

参考書

警察白書、犯罪白書等(開講時に説明)

関連項目

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