事例研究(医療政策・解決策分析)

担当教員

飯塚 敏晃 / 井伊 雅子 / 埴岡 健一

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 冬学期

2013年度冬学期提出レポート

  • 『女性のがん検診受診率に与える要因の分析』
    小森栞・見田真木子
    PDF(891KB)

授業の目標・概要

日本の医療や医療政策が直面する課題について、ミクロデータを用いた事例研究を行い、課題解決に向けた分析レポートをまとめる。夏学期の「事例研究(医療政策:問題分析)」における調査・研究を踏まえて、具体的な政策案の分析・評価、レポートの作成を行う。

授業のキーワード

医療,医療政策,ミクロデータ分析

授業の方法

近年、医療や健康に関する大量のミクロデータの収集が進む一方で、それらをどのように活用すべきか注目が集まっている。今年度は、医療や健康に関する重要課題に関し、実際にミクロデータを活用した分析を行い、課題解決に向けたレポートをまとめる。具体的には、以下の二つのミクロデータの活用を想定している。

1. 国民生活基礎調査匿名データ
2. 診療報酬明細書(レセプト)データ

具体的な分析テーマに関しては、各グループの自主性を重んじ、主体的に設定してもらうが、例えばミクロデータを用いることで、以下のような分析が可能となる。

1. 個人の社会経済的地位によって、非感染性疾患(心疾患、脳卒中、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患)の有病率に差があることが、諸外国の研究で報告されている。仮説としては、社会経済的地位が低いほど、好ましくない生活習慣(喫煙、アルコール接種、食事、身体活動など)をとる傾向にあることや、心理社会的ストレスをうけやすいことが考えられ、検証が行われている。国民生活基礎調査を用いることで、個人の生活習慣や医療知識、経済的状況、検診や医療へのアクセスなどの把握が可能となり、これらを基に、保健医療政策のあり方、地域の取組みなどの考察が可能となる。

2. 近年、医療費の適正化に向けた様々な施策が導入されているが、レセプトデータを用いることで、患者や医療機関が医療に関してどのような選択しているのか、その選択は患者や医療機関によってどの程度異なるのか、医療に関する政策が選択にどのような影響を与えるのか、などの分析が可能となる。

成績評価方法

平常点、レポート、プレゼンテーション等による。

履修上の注意

3名程度のグループによる共同作業を基本とし、個人研究は原則として認めない。参加者は原則として公共政策大学院2年生に限定するが、経済政策コース以外の学生も歓迎する。原則として、夏学期の「事例研究(医療政策:問題分析)」から続けて履修することを前提とする。

関連項目

Courses