民事法の基層と現代的課題
Civil Law Foundation and Modern Issues

担当教員 / Instructors

石川 博康

配当学期 / 使用言語 / 単位数 / Term / Language / Credits

S1S2 / 日本語 / 2

授業の目標・概要 / Objectives

 法の生成・展開過程や法を支える社会の構造等を踏まえた基礎的考察を通じて法の基層に降り立つことは、民事法における諸制度を設計し、またそれを解釈・運用するに際しての欠くべからざる諸前提のうちの一つである。本講義では、既存の法制度を評価し、また新たに法制度を構想する際に必要な、民事法の基本的な考え方および概念について講義する。法学未習者と、学部で民事法を一通り勉強した学生で民事法を支える理論的諸基盤についてより広い視野からもう一度理解し直そうと考えている者とを、対象とする。
 本年度は、民事法の諸制度を支えている歴史的基盤に着目し、現代法に関し法史学の観点からの一定の見通しを得ることを目的とした検討を行う。

授業のキーワード / Keywords

民法,債権法,契約法

授業計画 / Schedule

 本授業では、現代の日本の民事法に関するローマ法の観点からの分析を行う入門書(木庭顕『[笑うケースメソッド] 現代日本民法の基礎を問う』〔勁草書房・2015年〕)に即して、その内容の検討を行う。また、債権法改正に向けた近時の立法の動向についても、法史学の観点からその批判的検討を行うこととする。

授業の方法 / Teaching Methods

 初回は、本講義の目的や進め方、参考文献、次回以降の進行予定等について、ガイダンスを行う。2回目以降は、授業の最初に配布する簡単な課題に対する答えを解答用紙に記入して提出し、残りの時間で、受講生との質疑応答を行いつつ、各回のテーマに関する解説・検討を実施する。

成績評価方法 / Grading

定期試験および出席状況による。

教科書 / Required Textbook

木庭顕『[笑うケースメソッド] 現代日本民法の基礎を問う』(勁草書房・2015年)

参考書 / Reference Books

木庭顕『ローマ法案内—現代の法律家のために』(羽鳥書店・2010年)
潮見佳男『民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案の概要』(きんざい・2014年)

履修上の注意 / Notes on Taking the Course

 各回の最初に配布する課題に関しては、その解答の内容の是非は一切問わないが、その後の質疑応答に際しては、受講生には積極的に議論に参加することが期待される。

関連項目 / Related Resources