ヨーロッパ統合と法3
European Integration and Law 3

担当教員 / Instructors

伊藤 洋一

配当学期 / 使用言語 / 単位数 / Term / Language / Credits

S1S2 / 日本語 / 2

授業の目標・概要 / Objectives

ヨーロッパ統合の大きな特色は,「法による統合」であることである.その結果,ヨーロッパ各国では,国内法の「ヨーロッパ法化」が近年顕著な現象となっており,EU法の影響を無視して加盟国の国内法を研究することは,次第に困難となってきている.
そのような影響は,通商法に限らず,今や行政法のような分野にも及んでおり,近年では「ヨーロッパ行政法」の形成が各国で研究対象となってきている.
そこで,本演習では,浩瀚な下記フランス語文献の中から,「ヨーロッパ行政法」の形成の具体的事例として、「行政訴訟に対するEU法の影響」を論じる章(Sirinelli, Jean, L’impact du droit de l’Union européenne sur le contentieux administratif, p. 1223-1248)を教材として講読する予定である.

授業のキーワード / Keywords

ヨーロッパ法,ヨーロッパ行政法,EU裁判所,フランス行政法

授業計画 / Schedule

本演習では,下記フランス語文献を,特に参加者の分担を事前に決めることなく,講読する予定.

授業の方法 / Teaching Methods

演習.

成績評価方法 / Grading

平常点による.

教科書 / Required Textbook

本演習では,下記の文献を講読する予定(但し,開講までに更に新しい適当な文献が現れた場合には変更の可能性あり).

Auby, Jean-Bernard & Jacqueline Dutheil de la Rochère (éd.), Traité de droit administratif européen, 2e éd., Bruxelles, Bruylant, 2014.(開講時に必要部分を配付予定)

履修上の注意 / Notes on Taking the Course

上記文献は,その内容上,フランス法およびヨーロッパ法に関する一応の知識(法源,政策決定過程等)を前提して書かれているので,できればヨーロッパ法の授業に出席するか,適当な概説書を予め読んだ上で,本演習に出席することが望ましい.
なお,フランス語文献読解の訓練も,本演習の重要な目的の一つである.本格的なヨーロッパ法研究には,英語だけでは到底十分とは言えない.フランス語を読む意欲のある者の参加を希望する.

関連項目 / Related Resources