世論と外交
Public Opinion and Diplomacy

担当教員 / Instructors

藤原 帰一

配当学期 / 使用言語 / 単位数 / Term / Language / Credits

S1S2 / 日本語 / 2

授業の目標・概要 / Objectives

国際政治学は、国家と国家の関係を対象とするのが通常である。では、国内社会における国民の世論は対外政策の決定にどのような役割を果たすのだろうか。これは、一方ではリベラルの側から平和の条件として、またリアリストの側からは国際関係の安定を崩しかねない挑戦として、いわば両極端から議論されてきた問題である。この演習では、世論と外交の関わりについてできる限り一般的な概念構成を試みつつ、同時に具体的な状況分析も主なうことを試みたい。なお、この演習はリサーチ・セミナーであり、学習・研究の結果をゼミ論文として提出することを求めている。

授業のキーワード / Keywords

世論 民主主義 文民統制 民主的平和 カント ニコルソン

public opinion, democracy, civilian control, Immanuel Kant, Harold Nicolson

授業計画 / Schedule

第一部では、世論と外交に関する代表的な文献・論文を読み、多様な論点について討論を行う。ゼミに参加される皆さんは、ここで取り上げる論文に徹底した批評を加えるだけでなく、どのような異なる仮説を立てることが出来るのか、またその仮説を立証するためにはどのような作業が必要なのかまで考えていただきたい。他の研究者による業績を検討することが、自分の研究を始める出発点だからである。
第二部では、各自の選んだ事例に則し、破綻国家とそれに関わる紛争について各自が研究を開始し、その中間的な成果をゼミで報告する。最後に、2015年8月(予定)に合宿を行い、この合宿において各自が執筆した論文を報告する。

授業の方法 / Teaching Methods

参加者はA、B、C、D四つの班に分かれる。 それぞれの班は、シラバスに記された論文を読むだけでなく、その論文で展開された議論を吟味し、A4一枚のレジュメを作成し、ゼミにおいて10分以内で報告しなければならない。これは班毎の持ち回りではなく、毎回、それぞれの班が報告する、という意味である。
論文講読の後は独自に立てたテーマに沿った研究報告を行う。ここでは、班ごとに共通のテーマを立てる必要はないが、(1)課題設定、(2)仮説の設定、(3)先行研究、(4)立証方法、この4点は明確でなければならない。これを踏まえ、各自論文を完成し、夏休み後の合宿で発表する。

成績評価方法 / Grading

出席・報告と提出された研究論文によって評価を行う。評価の比重は、論文講読30%、中間研究報告30%、研究論文40%である。論文を提出しない場合も単位が与えられることはあるが、成績評価が低くなることは覚悟されたい。

教科書 / Required Textbook

後日指定する。第1回の授業でダウンロードの手順を述べる。

その他留意事項 / Miscellaneous Information

なし

関連項目 / Related Resources