東京大学公共政策大学院とコロンビア大学公共政策大学院SIPAとの交流会
GraSPP Day - SIPA Japan Trip 2009

大隈護(公共政策大学院)/指田和美(公共政策大学院)/辻口真琴(公共政策大学院)/平松彩子(大学院法学政治学研究科)

 さる3月16日、本郷キャンパスにおいて、東京大学公共政策大学院 GraSPP とコロンビア大学公共政策大学院 SIPAとの間で学生交流会 “GraSPP Day 2009”が開かれました。このイベントは SIPA の学生が毎年行っている Japan Trip の参加者と、GraSPPを中心とする東京大学の学生が、公共政策について議論しネットワーキングを行い、親睦を深めることを目的としています。
 当日は、朝早くからの開演にもかかわらず、東大、SIPA参加者をそれぞれ五十名ずつ、合計百名を迎えて始まりました。まず本学公共政策大学院教授である伊藤隆敏教授に、基調講演で昨今の経済危機についてお話し頂きました。1990年代後半のアジア金融危機から日本が学んだ教訓について、また現在日本がいかなる対応を取るべきかについて、伊藤先生の講演の後には白熱した質疑応答が展開されました。
 その後学生参加者は、マクロ経済、ミクロ経済、外交安全保障の三つの分科会に移り、まず東大学生側による政策提案プレゼンテーションが行われました。これは、主に公共政策大学院授業での事例研究を基に、報告を希望する学生が事前準備を重ねてきたものです。学生プレゼンテーションに引き続き行われた小グループでの討論では、伊藤教授の基調講演や学生報告をもとに、活発な議論が行われました。例えば、「東アジア共同体」の是々非々を中心に話し合った外交安全保障の小グループでは、地域枠組み形成の契機について、中南米諸国出身のSIPA側参加者と、南米地域、欧州、東アジアの情勢を比較検討しながら議論が進みました。また国際エネルギー政策を専攻しているSIPA側参加者とは、各地域の政治事情にかかわらず切実であるエネルギー問題について討論しました。このように、様々な出自、専攻分野をバックグラウンドに持つ学生が政策議論することで、普段の大学院での授業では思いつかない視点を共有することができました。
 正午には、懇親会場に場を移して立食パーティーが開かれ、さらに交流を深めました。SIPA側の参加者は、米国出身者だけでなく、ウクライナ、ガイアナ、ペルーなど、各国からの留学生が大半であり、また年齢層や大学院入学までの職歴も多様で、会話が弾みました。東大側の参加者は、公共政策大学院に在籍している学生に加え、新年度に入学予定の方や、また他学科からの参加者もおり、親睦を深める良い機会となりました。2008年3月に開かれた初回に続き、第二回目にあたる今回の GraSPP Day も盛況だったこともあり、GraSPPとSIPA の学生交流の場として定着し始めた感があります。
(昨年度の様子はこちらをご覧ください)

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