『オープンガバメント』の可能性を探る参加型ウェブサイト実験プロジェクト(第二回)を2010年6月25日に開始します

「情報通信技術と行政」研究プロジェクトでは、米国、欧州、日本で模索中の新しい行政スタイルである「オープンガバメント」の三原則のうち、「国民参加」について、その可能性と限界を実際のウェブサイトを利用して探ります。

「オープンガバメント」の三原則は次のとおりです。

1.透明(transparency)
2.参加(particiaption)
3.協業(collaboration)

それぞれに課題があります。

透明は、政府の持つ一次情報の積極的な公開とその方法に依存します。
(個人情報はしっかり保護します)
参加は、政策課題についての国民からの意見集約の可能性に依存します。
協業は、組織の壁を越えて共同作業する組織的な動機付けに依存します。

どれも国民(People)と公共(Public)の関係がこれまで以上に深まる21世紀型民主主義を実現するための重要な課題です。

この実験では「国民参加」に絞りソーシャルメディアによる生産的な意見集約の可能性を探求します。

米国人コラムニストのジェームス・スロウィッキーは、著書の「みんなの意見は案外正しい」で、集約された大衆(crowds)の意見が賢く(wise)あるためには、意見の多様性(diversity)、独立性(independence)、分散性(de-centralization)を指摘しています。

文脈の少し異なる日本社会ではこれらの条件が働くのか、働くとすれば、さらにどのような条件付けが必要なのか、追加すべき条件はないのか、などについて探っていきます。

私たちの現在の間接民主主義のもとでの投票も一種の意見集約の方法で、これによって集団の知恵が働くという期待が社会に存在するから投票が成り立っているともいえます。

開設の条件は次のとおりです。

1.今回は専用の意見募集ツールの一つを利用
2.具体的テーマでの意見集約 今回の具体的テーマ案は子育てと国民IDです。

6月25日に、公共政策大学院HP上にて学生による参加型ウェブサイトの開設を予定しています。 実りある実験のため皆さまのご参加を心から歓迎いたします。

2010年6月16日
「情報通信技術と行政」研究プロジェクト サポートチーム

(参考)