「医療技術評価」国際シンポジウム
世界で急拡大する「医療技術評価」を展望する
-欧米、アジア、そして日本の針路-

世界は、「価値に基づく」公共政策の立案と実施という観点からの、医療政策の大きなパラダイムシフトに直面している。具体的には、医療経済評価手法を医療政策上の意思決定に導入する医療技術評価(Health Technology Assessment; HTA)の制度化が英国医療技術評価機関 (National Institute for Health and Clinical Excellence; NICE)をはじめ、世界で急速に進行している。そのような世界の波を受け、医療政策を独自に発展させてきた我が国においても、2014年度より薬価制度へのHTA一部導入の国の方針が打ち出されている。

そこで本国際シンポジウムでは、世界のHTA研究のトップクラスで活躍中の専門家をむかえ、あらためてHTA政策導入の先進国である欧州、学問的基盤で世界をリードする米国、および興隆期をむかえたアジアの現状を学ぶ。それらの討議を通じ、グローバリゼーションの潮流の中で我が国が今後、医療技術のイノベーションを促進する一方で、どのようにHTAに取り組むべきか、その政策課題についての示唆、指針を得る。

日時:2012年9月6日(木)10:30-17:40
場所:東京大学伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール(地図
主催:東京大学公共政策大学院「医療技術評価・政策学」寄付講座
共催:東京大学政策ビジョン研究センター
キヤノングローバル戦略研究所

同時通訳(日本語/英語)あり

プログラム

10:30-10:40開会の挨拶
東京大学公共政策大学院院長 伊藤隆敏
キヤノングローバル戦略研究所理事長 福井俊彦
10:40-11:20講演  マイケル・ドラモンド、英国ヨーク大学教授
「医療リソース配分を決定するHTAのための実践原則」
11:20-12:00講演  フランソワ・メイエ、フランス医療技術評価機構(HAS)国際業務部長
「HASに見るフランス医療評価の構造と役割」
12:00-12:40講演  ピーター・コロミンスキー―ラバス、ドイツ エアランゲン・ニュルンベルク大学HTA公衆衛生学際センター長
「予算制限下での医療イノベーションの実現に向けて:ドイツのHTAにおけるG-BAとIQWiGの役割」
12:40-13:30休憩
13:30-14:30パネル討論「欧米におけるHTAの現状と今後」
パネラー
  マイケル・ドラモンド
  フランソワ・メイエ
  ピーター・コロミンスキー―ラバス
司会 公共政策大学院特任教授 鎌江伊三夫
14:30-14:45休憩
14:45-15:10講演  ゴードン・リゥ、北京大学教授
「中国での医療制度改革と医薬経済評価の現状」
15:10-15:35講演  ボン―ミン・ヤン、ソウル国立大学教授
「韓国におけるHTA―ステークホールダーの関与と今後の課題」
15:35-16:00講演  ホン・リー、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社 HEOR部長
「アジアから見たHTAを展望する」
16:00-16:25講演  ドナルド・イン、メルク株式会社 グローバル統括部長
「HTAのグローバリゼーション―産業界の視点」
16:25-16:45講演  吉田易範 厚生労働省保険局医療課薬剤管理官
「厚労省による2014年のHTA実施に向けて」
16:45-17:35「アジアにおけるHTAの現状と今後」
パネラー
  ボン―ミン・ヤン
  ホン・リー
  ドナルド・イン
司会 公共政策大学院特任教授 鎌江伊三夫
17:35-17:40閉会の挨拶
東京大学政策ビジョン研究センター長 城山英明