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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

経済政策コース Economic Policy Program

経済政策コースは、公共政策を主として経済学の視点から分析、評価するための知識と力の習得を目的としています。

高度な経済分析が公共政策の企画立案において重要な役割を果たすことは世界の常識になってきています。欧米諸国では行政官の中に経済学の高度な訓練を受けた者が多く存在しています。しかも、これは、いわゆる経済官庁(アメリカを例にとると、大統領経済諮問委員会、財務省、中央銀行、公正取引委員会等)だけの現象ではなく、労働・環境・福祉・医療等のこれまでは経済官庁とみなされなかった分野にも急速に広がってきました。ところが、日本では、政策形成の実務家の中で経済分析を活用できる人材が不足しています。

ミクロ経済学及びマクロ経済学の理論的基礎を実際の応用例に則して教育すること、定量的評価に必要な計量経済学や費用便益分析のツールを使いこなす能力を養うこと、ケーススタディーを通じ、政策形成実務に経済分析を活用する能力を養うこと、がカリキュラムの3本柱です。

(※以下の情報は2023年5月1日時点の情報です。最新の情報はこちらのページで確認してください。また、科目は年度やセメスター・タームによって開講状況が変わる場合があります。)

経済政策コースの修了要件

経済政策コースを修了するためには、以下の通り単位を修得する必要があります。

必要単位数 修了要件
各4単位 基幹科目から法律分野、政治分野、経済分野の授業科目を各々4単位、全部で12単位以上修得していること
8単位 事例研究を8単位以上修得していること

うち4単位以上は経済系の事例研究から修得していること

16単位 基幹科目または展開科目から経済分野の授業科目を16単位以上修得していること
12-15単位 以下の授業を含んでいること

(1)Microeconomics + Practice Session for Microeconomics
(2)Macroeconomics + Practice Session for Macroeconomics
(3)Econometrics for Public Policy + Practice Session for Econometrics for Public Policy
4単位 上記必修科目、Principles of Microeconomics、Principles of Macroeconomics, 統計分析手法、Statistical Methods以外の基幹科目からさらに4単位以上を習得していること
4単位 修了時までに修得した単位に、実践科目として認定された授業科目を4単位以上含んでいること

 

以下では経済政策コースで提供される科目の相互関係を説明するため、経済学の分野がどのように分かれていて、それらがどのように関係しているのかを説明します。

経済分野とは

•大きくわけて3つの分野:ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学があります。それぞれの分野に属する科目を以下で紹介します。

ミクロ経済学

•基幹科目:
   – Microeconomics, 公共政策の経済評価、International Trade Policy, Development Economics: Microeconomic Approach, Economic Analysis of Public Sector
•展開科目:
   – International Trade, Labor Economicsなど

マクロ経済学

•基幹科目:
   – Macroeconomics, International Financial Policy, Development Economics: Macroeconomic Approach
•展開科目:
   – Sovereign Debt, Economics Crisis, Monetary Policy, など

計量経済学

•基幹科目:
   – Statistical Methods
   – Econometrics for Public Policy
•展開科目:
   – Advanced Time Series Analysis
   – 機械学習の実証経済学への応用

科目間の関連

経済学分野においては、科目間の関係は比較的単純であり、積み上げの性格が強くなっています。例えば、ミクロ経済学で学んだことは、応用先を変えて産業組織、国際貿易、労働経済で繰り返し出てきます。マクロ経済学は、集計量を主な対象としている点がミクロ経済学と異なりますが、ミクロの集計がマクロだという考え方があり、ミクロ経済学が重要な基礎をなしています。計量経済学は、統計学の応用分野という性質が強く、経済学そのものとは別の学問体系だと考えてよく、実験ができない環境下で観察されるデータから因果関係をいかに識別するかをテーマとしていますが、目的は経済理論の実証にあります。「理論から応用へ」、あるいは「基礎から発展へ」という順でいうと、基幹科目<展開科目<実践科目<事例研究という順番になります。