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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

S1S2月曜4限「行政法の現代的諸問題」 2016年06月21日(火)

6月20日の授業でお話しいただいた菊地身智雄港湾局長は、近年の重要な港湾法改正のすべてで中心的役割を果たされた方で、港湾法に最も詳しい行政官といっても過言ではありません。お話しのあった港湾水域の占用許可ですが、公物の使用関係の自由使用(一般使用)、許可使用、特許使用(概説Ⅰ118~119頁、概説Ⅲ559~564頁参照)のうち、特許使用に当たり、公物の一定の空間を一定期間排他的に占用することになりますので、占用料の支払いが必要になります。洋上風力発電のための公募による占用許可制度の導入は、競願処理の仕組み(概説Ⅰ97頁~98頁参照)として行政法上、大いに注目されるものです。従前の港湾水域占用許可は、概説Ⅰ97頁の用語でいえば、先願主義でしたが、洋上風力発電のための公募による占用許可については、比較審査の仕組みが導入されたといえます。平成26年の道路法改正で導入された道路における占用入札制度は、比較審査の中でも、占用料の多寡で占用者を決定する仕組みで、概説Ⅰ98頁のcolumnのオークションに当たると言えますが、洋上風力発電のための公募による占用許可制度は、総合審査方式をとることとしています。

6月27日は、本年の通常国会に提出された宇宙活動法案、リモートセンシング法案(宇宙2法案)(継続審査)について、内閣府宇宙開発戦略推進事務の行松参事官、末富参事官のお二人にお出でいただき、お話しいただきます。宇宙活動法案では、人工衛星等の打上げにより地上で発生した第三者損害を無過失責任にするとともに、打上げを行う者に責任集中しています。また、打上げを行う者に損害賠償措置の実施を義務付け、損害賠償措置でカバーできない損害について、政府が補償契約を締結できる制度を導入しています。「国家補償」という言葉は、通常、行政主体の行為に起因する損害または損失の填補を意味しますが、直接の原因者に損害填補を有効になさしめるべき措置をとることについて国の責任が認められる場合を含めて国家補償と称されることもあり(概説Ⅱ4頁参照)、これは、広義の国家補償の仕組みともいえます。人工衛星の管理により地上で発生した第三者損害についても無過失責任とされています。

宇賀 克也