GraSPP 東京大学公共政策大学院 - Graduate School of Public Policy THE UNIVERSITY OF TOKYO

INPEX CORPORATION

エネルギーセキュリティーと環境|株式会社INPEX寄付講座

Interview

エネルギー政策の最前線──現実と未来を見据える安全保障

1. キャリア・原点について

​まずは、先生がエネルギー政策や経済政策の分野に進まれたきっかけについてお聞かせいただけますか?

大学院では経済学理論を専攻していましたが、次第に現実の課題と関わる研究に魅力を感じるようになりました。そのような中、たまたま読んだエネルギーに関する本が非常に興味深く、「エネルギー政策を学んでみたい」と思うようになりました。
その一方で、エネルギー政策を研究すると言っても、当時は何から始めればよいのか分からず、縁をたどって「日本エネルギー経済研究所」という専門機関を知り、直接連絡を取りました。訪問した際に、様々な観点からエネルギーを研究していると聞き、「面白そうだ」と感じたことが私の人生を変えることとなりました。そのご縁で試験を受け、研究所に入所し、以来、エネルギー政策の研究に取り組み続けています。

小山堅 客員教授の写真
小山堅 客員教授

​これまで日本経済研究所で長く活動されてきた中で、特に印象に残っている出来事や転機はどのようなものでしたか?

私にとって大きな転機は、やはり1986年に日本エネルギー経済研究所に入所したことでした。入所して最初に取り組んだことは、世界の石油の流れを分析する大規模なモデルづくりでした。石油がどこで採れ、どう運ばれ、どのように加工・消費されるのかをグローバルな視点で学んだことで、エネルギー全体を俯瞰する感覚が自然と身につきました。これは、今の研究活動の基礎になっています。

もう一つの大きな転機は、研究所からの支援でイギリスに留学し、博士号を取得したことです。現地では、研究の質や姿勢について徹底的に鍛え直され、最初の半年間は特別に非常に苦しい時期を過ごしましたが、今では指導教員の厳しくも温かい指導に深く感謝しています。また、この留学期間中に世界のエネルギー分野の専門家たちとのネットワークを築くきっかけを作ることができたことは、現在の研究にも大きく活きています。

こうした経験が、現在の国際的な視野からのエネルギー政策研究へとつながっています。

インタビューに答える小山堅 客員教授の写真
インタビューに答える
小山堅 客員教授

― なるほど、そのご専門というのは、エネルギーとかジオポリティックスですか。

私が取り組んでいたテーマは「日本の対中東エネルギー戦略」で、博士論文を書いていました。日本の経験を基にしたエネルギー安全保障の研究ということですね。

日本の教育、日本の大学院とどんなところが何が一番違うと思いますか?

イギリスの大学院で最も印象的だったのは、徹底的に鍛えられた論文指導の厳しさでした。博士論文の各章ごとにドラフトを書き、毎月一度指導教員と議論するのがルーティーンでしたが、提出した原稿は毎回真っ赤に添削され、「博士論文としての水準に達していない」と厳しく指摘されました。最初の半年間はその場で原稿をゴミ箱に捨てられることが殆どで、その間は一切の前進が感じられず、精神的にも非常に厳しい時間でした。

しかし、その半年を乗り越えた後、不思議と論文の質が上がり、次第にスムーズに進むようになりました。厳しさの中にあった指導の本質を今では深く理解しており、日本の大学院とは異なる、妥協のない学問姿勢に大きな影響を受けたと感じています。

インタビューをする殿木久美子の写真
インタビューをする
殿木久美子

2. 日本のエネルギー政策の現状・課題

2010年に本寄付講座が始まってから、日本のエネルギー政策はどのように変わりましたか?

2010年に本講座が始まって以降、日本のエネルギー政策は大きな転換期を迎えました。中でも、2011年の東日本大震災と原発事故は、原子力エネルギーに対する社会の見方を根本から変える大きな出来事でした。それまで原子力は、安定供給や気候変動対策の観点から「必要不可欠」とされていましたが、事故をきっかけに国民の受け止め方が大きく変化し、政策の在り方も問われるようになりました。

講義の中でも、東京大学の学生の反応からその変化を実感してきました。事故直後は「それでも根本的には原子力は重要だ」という声も多かったのですが、時が経つにつれて慎重な見方が強まりました。しかし、近年のウクライナ危機や、AI・データセンターの拡大に伴う電力需要の増加を背景に、「安定供給をどう守るか」が再び重要なテーマとして浮上し、学生たちの認識も再び変わりつつあります。

こうした社会の動きや意識の変化を講義を通じてリアルタイムで感じられることは、教える側にとっても非常に刺激的であり、学びの多い経験です。原子力をめぐる社会の受け止め方と、それに応じた政策の変化は、現代のエネルギー政策を語る上で欠かせないテーマであると感じています。

また、近年多様化しているエネルギー安全保障上の地政学的リスクについて、特に注目している課題や懸念はありますか?

近年のエネルギー安全保障を取り巻くリスクは、ますます複雑で不確実性の高いものとなっています。特に注目しているのは、「価格の高騰」以上に深刻な「物理的な供給不足」――つまり、いざという時にエネルギーを確保できない事態が起こることです。例えば、ウクライナ危機時の欧州では、各国が他国に先んじてLNG(液化天然ガス)を買い集めるという、まさに“なりふり構わぬ行動”が見られました。

今後の注目点は、LNG供給の拡大が本当に実現するかどうかです。2025年以降は供給が大きく伸びる見込みですが、その中心を担うのがアメリカです。しかし、実際のプロジェクト進行は遅れ気味との見方もあり、拡大はしていくものの、不安定要素も残ります。また、増加する供給を誰がどう購入するかは、国際政治や為替、さらにはトランプ政権との関係とも深く結びついてきます。

さらに、石油だけでなく、電力、LNG、クリティカルミネラル(重要鉱物)、そしてサイバーセキュリティといった領域も含め、エネルギー安全保障の課題は多層的に広がっています。限られた財政・政策資源の中で、どこに優先的に対応すべきかという「選択の戦略」が各国に問われています。

私たちエネルギー経済研究所では、今後のエネルギー転換において特に重要と考える5つの課題――①化石燃料投資の不足、②地政学リスクと政策変動、③電力インフラ、④重要鉱物資源、⑤サイバーリスク――を提示しました。これらはいずれも、今後の世界情勢や政策次第で大きく揺れ動く可能性があるテーマです。エネルギー安全保障の議論は、まさにその「揺れ」にどう備えるかが問われています。

スライド画像:注目すべきエネルギー安全保障リスク
注目すべきエネルギー安全保障リスクの資料

今年2月に策定された「第7次エネルギー基本計画」は、日本のエネルギー政策にとって大きな転換点となる重要な方針が示されました。これまで以上に「エネルギーの安全保障(安定供給)」を最優先に位置づけ、日本の暮らしや経済を支える基盤として、エネルギーの確保にしっかり取り組む姿勢が明確に打ち出されています。

特に注目すべきは、「日本の電力需要は今後増える」との見方を久しぶりに公式に示した点です。これまでは、経済成長の鈍化や人口減少を背景に、電力需要は減少していくとされてきました。しかし、AIやデータセンターの拡大などを受け、将来的な電力不足への危機感が高まり、今こそ備えるべきだという認識が強まりました。

その結果、「原子力の最大限活用」や「再生可能エネルギーの更なる導入」が、具体的な政策目標として掲げられています。もっとも、大事なのはここから先です。方向性は示されましたが、その実現に向けて具体的にどう動くかが、今まさに問われています。この1〜2年は、政策の実行力が試される極めて重要な期間となるでしょう。

また、国際的にはトランプ政権の動向など不確実性も大きく、エネルギー政策を「どう決めるか」だけでなく、「どう現実に対応して実行するか」という視点が、今後ますます重要になっていきます。

スライド画像:多様化するエネルギー安全保障上の地政学的リスク
多様化するエネルギー安全保障上の地政学的リスクの資料

3. 未来のエネルギー戦略

2030年、そして2050年を見据えると、日本のエネルギーミックスはどのように進化していくべきとお考えですか?

エネルギー政策を考えるに当たっては、2030年や2050年といった将来像をどう描くかによって、将来に向けた道筋が大きく変わってきます。特に近年は「カーボンニュートラルの実現」が国際的な共通課題となり、「どう変わるか」ではなく「どう変わらなければならないか」という“逆算”の視点(バックキャスティング)が重視されるようになっています。

この考え方は非常に力強い一方で、現実とのギャップが大きすぎると実行可能性を見失いかねないという側面もあります。私は、特に2030年〜2040年の中期的な視点では、現実に即して段階的に変化を見据えることが重要だと考えています。

今後のエネルギーミックスでは、再生可能エネルギーや原子力、水素・アンモニアといった新たな選択肢の活用が進む一方、これらはコストやインフラ面で課題も多く、国民生活に過度な負担をかけるわけにはいきません。そこで鍵となるのが、「今ある化石燃料をいかにクリーンに使うか」という現実的な対応です。

つまり、2030年〜2040年ごろまでは、化石燃料の効率的・低炭素な利用を軸にしつつ、2050年に向けた長期的視点ではイノベーションによってエネルギーの構造自体を大きく転換していく。そのように時間軸に応じて柔軟に戦略を使い分けることが、これからのエネルギー政策には求められていると感じています。

―そうですね。特に先生もよくおっしゃられるのが、LNGもそうですが、エネルギー源の開発から実際の導入に至るまでは非常に時間がかかるし、技術の向上もまた時間がかかるので、大きな技術革新が起こると劇的に変わる面はもちろんありますが、2050年くらいまでは、やっぱりそれ程イメージが大きく変わるわけではないものであるということなのでしょうか。

エネルギーの世界では、「今すぐに全てが劇的に変わる」ということは基本的に起こりません。その理由の一つが、エネルギー関連の設備やシステムが「ストック(蓄積資産)」として長い時間をかけて入れ替わるという点にあります。

例えば、電気自動車の導入が進んでいるとはいえ、現在の日本では未だガソリン車が多数を占めています。新車販売が全て電気自動車に切り替わったとしても、車の平均使用年数が約15年であるため、社会全体の自動車構成が大きく変わるには長い年月が必要です。

これは、電力インフラにも当てはまります。発電所やパイプラインといったエネルギー設備は寿命が長く、更新にも莫大な時間とコストがかかります。だからこそ、2050年を見据える上でも、今ある設備やストックの現実を踏まえた上で、段階的かつ持続可能なエネルギー転換をどう進めるかを考えることが重要です。変化は少しずつ、しかし確実に積み重ねていく必要があるのです。

インタビューをする殿木久美子とインタビューに答える小山の写真

4. 社会との関わり・影響

エネルギー政策や制度は難しい内容になりがちですが、一般の方にも分かりやすく発信するために、どのような工夫をされていますか?

エネルギー政策や制度は複雑で専門的な内容が多く、一般の方に伝えるのが難しい分野です。私自身が心がけているのは、まず自分がその仕組みや背景を本当に深く理解することです。その上で、「どうすれば相手に伝わるか」を丁寧に考えるようにしています。

「難しいことを難しく話す」のではなく、「難しいことを分かりやすく話す」ことこそが、真に理解している証だと考えています。実際、後輩や同僚にも「説明が伝わらないときは、自分の理解が足りていない可能性がある」と伝えることがあります。

人に分かりやすく伝えられるかどうかは、自分自身の理解度を試す大切な基準でもあります。だからこそ、誰にでも届く言葉で説明できるよう努めることが、研究者としての責任だと感じています。

一般の方にはあまり知られていない、エネルギー政策の面白さや意外な魅力があればぜひ教えてください。

エネルギー政策の魅力は、一言で言えば「絶えず新しい問いと出会える分野」であるということです。私自身、研究所に入ってエネルギーに関わるようになってから、日本でも世界でも、次々に予想外の出来事が起こり、その度に「これは一体どういうことだろう」と考えさせられます。その連続が、とても刺激的で学問・研究として奥深いものなのです。

さらに、エネルギー政策は経済、政治、技術、社会、制度、そして人々の行動など、あらゆる領域と深く関わっています。ひとつの視点だけでは捉えきれず、常に複数の視点から考える必要があるため、学びの幅も非常に広く、飽きることがありません。

また、エネルギーは全ての人が使い、誰にとっても身近で不可欠なものです。それにもかかわらず、背後には国際的な動向や技術革新といった複雑でダイナミックな構造が広がっています。この「身近なのに奥が深い」点こそが、エネルギー政策という分野の意外な面白さであり、大きな魅力だと感じています。

―ダイナミックが一つのポイントなのですね。ダイナミックという点に関連して申し上げると、東大内でも文理融合というのがよく言われていて、理系との融合をするとすれば、いかなるアプローチが一番効くとお考えでしょうか。

エネルギー政策のように多面的な課題を扱う分野では、文系・理系の垣根を越えた「切磋琢磨」が欠かせません。例えば、地政学や政策の観点からは合理的に見える選択肢でも、技術面から見ると非現実的なことがあります。逆に、技術的には可能でも、制度や国際関係の制約で実現が難しいこともあります。

だからこそ、文系の視点と理系の知見が交差し、互いに問いを投げかけ合うような関係性が重要だと考えています。お互いの領域内だけで議論が完結してしまっては、新しい発見や解決策は生まれにくいのです。特にエネルギーの分野では、こうした相互作用の中にこそ、持続可能な未来へのヒントがあると思います。

私自身、数年前から東京工業大学(現:東京科学大学)で特任教授を務めているのですが、技術側との対話を通じて多くの刺激を受けてきました。例えば、カーボンニュートラル実現のための具体的な技術や、それぞれの選択肢が持つ課題について議論を重ねることで、より現実的で実行可能な政策提言へとつなげることができると感じています。文理の融合は、単なる連携ではなく、実質的な「対話と相互理解」にこそ価値があるのです。

―よく言われるように、技術系の方は、技術そのものの改良や革新に特化しがちである一方、政策側の人間には、技術の実態や限界、コスト構造への理解が不足していることが多いということはあるでしょうか。

一言すればそのとおりですね。私自身、技術について語る場面はあっても、深く理解できているかというと、反省すべき点が多々あります。

本当に政策として後押しすべき技術なのか、それはどの程度コスト削減の可能性があるのか――こうした判断をするには、やはり技術に対する一定のリテラシーが不可欠です。

歴史を振り返っても、エネルギーの大転換が起きた背景には、必ず技術革新がありました。だからこそ、政策と技術はお互いを補完し合いながら議論されるべきであり、その間に横たわる理解のギャップを埋めることが、これからますます重要になると感じています。

―例えばシェール革命(※)もそのような側面がありますね。

おっしゃるとおりで、技術について十分な理解がないまま語ると、どうしても表面的で浅い議論になってしまいます。もちろん、技術の専門家のように全てを深く理解することは難しいかもしれませんが、それでも最低限の仕組みや背景を理解していなければ、的確な政策判断や議論はできません。

例えば、シェール革命のように、技術がエネルギーの流れを大きく変える例は多くあります。そうした変化を読み解くためにも、「技術に敬意を払いつつ、理解を深める姿勢」を持つことが、政策を扱う立場として非常に大切だと感じています。

アメリカでシェール層(頁岩層)に含まれる天然ガスや石油を大量に採掘できるようになった技術革新。この技術革新により、アメリカは天然ガスと石油の世界有数の産出国となり、エネルギー自給率が大きく向上。

5. 次世代へのメッセージ

先生の授業「エネルギー政策」は、15年にわたり毎年100名超えの学生が履修すると伺いました。学生の質問や関心のポイントに、最近変化を感じることはありますか?

インタビューをする殿木久美子とインタビューに答える小山の写真

東京大学の学生は、エネルギー問題に対して「重要なテーマであり、将来的に面白いかもしれない」という関心や期待を持って講義に臨んでいるように感じます。私自身は、その期待に応えるべく、自分なりのやり方で情報を伝え、学生からの反応を受け取る「双方向の講義」を心がけています。

うまく循環が生まれれば、「この授業は面白い」「この分野は重要だ」と感じてもらえるはずで、それが学生一人ひとりにとっても、大学にとっても意味のある時間になると考えています。

また、近年は特に時事的なテーマへの関心が高く、例えばエネルギーを巡る国際情勢や政策の変化など、“いま起きていること”に対するリアルな語りかけが、学生に強く響いていると感じます。教科書的な知識だけでなく、講義の中で私自身の視点や考えも共有することで、より深い理解と関心を引き出せることが多いですね。

講義の中で、例えば「先週アメリカで開かれた重要な会議で、こんな議論が行われた」といった具体的で“今”に近い話題を紹介すると、学生の関心や質問が自然とそこに集まってくるのを感じます。あらかじめ用意したスライドでの説明ももちろん必要ですが、それ以上に、「まさに今この問題が重要だ」と感じてもらえるような時事性のあるテーマの方が、学生の反応はずっと良いですね。

例えば、2020年のパンデミック時には「コロナとエネルギーの関係」、トランプ政権下では「アメリカのエネルギー政策の変化」、震災後には「災害とエネルギーの在り方」といったテーマが強い関心を集めました。その時々の社会情勢とリンクした話題を取り上げることで、学生の理解も深まりやすくなります。

エネルギー政策に関心を持つ若い世代に、ぜひ伝えたいことは何でしょうか?

エネルギーは、私たちの暮らしや社会を支える非常に重要なテーマです。同時に、経済・政治・技術・環境といった多くの分野とつながっており、知的な好奇心を持つ人にとっては、探究しがいのある広がりのある世界でもあります。

若い世代に是非伝えたいのは、「エネルギーに関心を持つことは、きっと将来の自分にとってプラスになる」ということです。たとえ専門にしなくても、視野を広げる上で非常に有益ですし、社会の仕組みを理解する上でも多くのヒントが得られます。

自分なりに考える力を育てるには、信頼できる情報や視点に触れることが欠かせません。私自身も、そうした材料のひとつを提供できればと思っています。時間に追われる日々かもしれませんが、ぜひ貪欲に、広く柔軟に、エネルギーの世界にも目を向けてほしいと願っています。

6. 個人的なおすすめ

エネルギー政策に興味を持つ人に向けて、おすすめしたい書籍を教えてください。

エネルギーに関しての本という意味で言えば、私が圧倒的に好きなのは、もうかなり古い本になりましたが、米国の著名な専門家であるダニエル・ヤーギンさんが書いた『石油の世紀(The Prize)』という本ですね。まさに国際エネルギー問題を考える上でこれほど参考にして役に立ち、読んで面白いので非常におすすめです。

もう石油の話は古いと思うかもしれないし、だいぶ前の本だしと思われるかもしれませんが、読み物としてやはり面白いと思います。この本に匹敵するような面白い本というのは、未だに私はエネルギーの中ではあまり見たことがないのです。

小山先生が執筆された本
小山先生が執筆された本

最後に、最近ご自身がハマっていることや関心を持っていることについてお聞かせください。

最近の私のささやかな楽しみは、早朝の散歩です。7〜8年前から習慣になっており、今ではほぼ毎朝、自宅近くの公園を1時間ほど歩いています。特に冬の早朝、まだ真っ暗な中を歩き出して、空がだんだんと青から金色に染まり、朝日が昇ってくる光景に出会えるのは、何ものにも代えがたいひとときです。

昔はテニス、スキーなど様々なスポーツに熱中していたほど運動好きでしたが、今では散歩が気分転換や思考の整理にもなり、健康維持にもつながっていると感じています。

小山堅 客員教授の写真

(企画・取材・構成・執筆=殿木久美子、東京大学リサーチ・アドミニストレーター)