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2023年度 地域交通政策研究(冬学期開講)
概要
人口減少と高齢化が構造的に同時進行する中で、都市部、地方部を問わず、地域の公 共交通サービスは厳しい状況に置かれている。 一方で、IoT、AI、ビッグデータなどのデジタル技術の革新を背景に、AI や自動運転技術の活用などの模索が進みつつあるとともに、MaaS(Mobility as a Service)などの新しいモビリティ・サービスの社会実装に向けた取組みが進みつつある。
このような中、新型コロナウィルスによるパンデミックにより、全世界において交通・運輸分野は甚大な影響を受けることとなったが、とりわけ厳しい経営下に ある中小の事業者が多い地域交通については、公共交通サービスの継続に困難を来すほど深刻な状況に至っている。
こうした状況の下、地域住民の足であり、地域間交流の基盤であり、そして、観光交流を通じた地域の活性化など地域の諸課題の解決の鍵を握っている地域公共交通サービスを、コロナによる社会変容・行動変容も踏まえつつ、今後持続的に確保・維持し、改善していくための政策のあり方について、各授業毎に具体の事例を採り上げて、当該事例の解説及びディスカッション並びに現地視察を通じて考察を深める。
プログラムの目的
地域交通を担う経営トップや現場の第一線の責任者、政策責任者及び研究者による具体的な政策や事例の解説に加え、講師や多様な研究科の学生とのディスカッション及び現地視察を通じて、地域交通政策に関する考察を深めます。(本科目は、科学技術イノベーション政策の科学 (STIG) 教育プログラム選択科目です)
授業時間
火曜5限 16:50~18:35
場所
本郷キャンパス国際学術総合研究棟4F SMBCアカデミアホール
対象
大学院生(学部生の聴講も歓迎)
担当教員
公共政策大学院 宿利客員教授、軸丸特任教授
問合せ先
: TTPU事務局 ttpu@pp.u-tokyo.ac.jp
開講スケジュール
日程 | 講義 | 講師 |
---|---|---|
10/3 | イントロダクション 地域公共交通の再構築に向けて | 宿利 正史(公共政策大学院客員教授) 石原 大 氏(国土交通省大臣官房公共交通政策審議官) |
10/10 | 公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり | 森 雅志 氏(富山大学客員教授/京都大学非常勤講師(前富山市長)) |
10/17 | サステイナブルな地域公共交通事業① ~交通インフラ経営の現実と対策~ | 松本 順 氏(㈱みちのりホールディングス代表取締役グループCEO) |
10/24 | サステイナブルな地域公共交通事業② ~コロナ禍後の危機的状況の脱却と夢のある事業への転換を目指して~ | 小嶋 光信 氏(両備グループ代表兼CEO 一般財団法人地域公共交通総合研究所代表理事) |
10/31 | 地方創生と地域交通 ※現地における視察・講義 | 鈴木 与平 氏(鈴与㈱代表取締役会長 ㈱フジドリームエアラインズ代表取締役会長) |
11/7 | 北海道地域の公共交通の維持・確保 | 綿貫 泰之(北海道旅客鉄道㈱代表取締役社長) |
11/14 | 地域公共交通の統合的政策 ~欧州の政策に学ぶ~ | 宇都宮 浄人 氏(関西大学経済学部教授) |
11/21 | 地域とつくるデマンド交通モデルの全国展開 ※現地における視察・講義 | 石川 裕記 氏(㈱アイシンビジネスプロモーション部長) |
11/28 | 地方鉄道の復活と持続的な経営 ※現地における視察・講義 | 伊東 尋志 氏(元えちぜん鉄道㈱専務取締役兼管理部長) |
12/5 | 国内フェリーの果たすべき役割と今後 | 加藤 琢二 氏((一社)日本旅客船協会副会長) |
12/12 | 事業者間の競争から共創へ① ~持続可能なMaaSの実現にむけて~ | 間嶋 宏 氏(トヨタファイナンシャルサービス㈱グループバイスプレジデント 兼 トヨタ自動車㈱主幹) 松木 創 氏(西日本鉄道㈱まちづくり・交通・観光推進部課長) 木下 貴友 氏((一社)九州経済連合会地域共創部参事) |
12/19 | 事業者間の競争から共創へ② ~独禁法特例を活用した事業者間連携~ | 仮井 康裕 氏(広島電鉄㈱代表取締役専務) 手嶋一了氏(国土交通省物流・自動車局旅客課課長補佐) |
12/26 | 現場から実践する地域公共交通の改革 | 加藤 博和 氏(名古屋大学大学院環境学研究科教授) |