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2024年度 国際交通政策(夏学期開講)

概要

今日世界は、交通や情報通信技術の発達、市場開放などを背景に、様々な分野でグローバル化が進展する中で、米・中の対立、格差や分断の拡大、地球環境問題などに直面し、一層不確実性を増している。
さらに、2020年初来の新型コロナウイルスのパンデミックによる移動制限により、国際間の旅客交通はかつて無い大幅な需要減に直面し、交通・観光産業の経営に甚大な影響を与えている。また、国際間の物流についても、グローバルサプライチェーンの脆弱性のリスクや影響が明らかとなった。加えて、ロシアによるウクライナ侵攻は、航空貨物輸送をはじめ国際物流に混乱をもたらし、サプライチェーンの安定化が喫緊の課題となっている。

一方で、長期化するコロナ禍を引き金に、社会の様々な場面で価値観の転換や行動変容が進みつつあり、最新のデジタル技術等の活用と相俟って、「モビリティ」自体が大きな変革の渦中にある。
こうした状況の下、人口減少と超高齢化が同時進行し、低い経済成長が続く我が国が、今後とも持続的な成長と豊かな国民生活を確保するためには、国際交通分野が、ポストコロナの世界をしっかりと見据えて、国際社会と競争、連携しつつ、重要な役割を果たすことが期待される。同時に、諸課題の克服を可能とする政策対応が急務となっている。

このような観点から、本科目では、我が国の将来を見据えた望ましい「国際交通政策」の在り方について、政策の現状や交通・運輸の実態を踏まえつつ、講義及びディスカッション並びに現地視察を通じて考察を深める。

プログラムの目的

国際交通分野の各界トップによる講義と、講師・教員や多様な研究科の学生とのディスカッション を通じて、交通・運輸の実態を踏まえた政策のあり方について考察を深めます。(国際交通政策は科学技術イノベーション政策の科学 (STIG) 教育プログラム選択科目です)

授業時間

火曜5限 16:50~18:35(7/9は、5限及び6限)

授業方式

本郷キャンパス 国際学術総合研究棟 4階SMBC Academia Hallにおける対面授業

対象

本学大学院生(本学学部生の聴講も歓迎)

担当教員

公共政策大学院 宿利客員教授・大橋教授・小椋特任教授・大沼客員教授

問合せ先

TTPU事務局 ttpu@pp.u-tokyo.ac.jp

開講スケジュール

日程講義内容講師
4/9イントロダクション
交通における経済学的な視点
宿利正史(公共政策大学院 客員教授)、大橋 弘(公共政策大学院 教授/大学院経済学研究科 教授)
4/16国際交通政策の輪郭と交通インフラの海外展開藤井 直樹 氏(前国土交通事務次官)
4/23我が国の航空政策が目指すもの大沼 俊之 氏(公共政策大学院 客員教授/国土交通省 航空局次長)
5/14外航海運のダイナミズムと今後の展望
~定期船事業を核にして~
内藤 忠顕 氏(日本郵船㈱ 特別顧問)
5/21我が国の港湾政策が目指すもの
※横浜港現地視察
稲田 雅裕 氏(国土交通省 港湾局長)
5/23外航海運のダイナミズムと今後の展望 ~定期船事業を核にして~内藤 忠顕 氏(日本郵船㈱ 取締役会長)
5/28不確実な時代における航空の持続可能性の確保
※羽田空港現地視察
斎藤 祐二 氏(日本航空㈱ 代表取締役副社長執行役員)
6/4海上保安庁の使命と国際海洋秩序の維持 石井 昌平 氏(海上保安庁 長官)
6/11空港の過去、現在、そして未来
※成田空港現地視察
田村 明比古 氏(成田国際空港㈱ 代表取締役社長)
6/18これからの時代に鉄道事業が目指すもの冨田 哲郎 氏(東日本旅客鉄道㈱ 相談役)
6/25アジアの大都市の発展と鉄道整備森地 茂 氏(政策研究大学院大学 客員教授・名誉教授)
7/9
(5限)
水素社会の実現に向けて
国際海運の脱炭素に向けて
橋本 康彦 氏(川崎重工業㈱代表取締役社長)、大坪 新一郎 氏((一財)運輸総合研究所特任研究員/東海大学 特任教授)
7/9
(6限)
総合鉄道メーカーのグローバル展開網谷 憲晴 氏
㈱日立製作所執行役常務 ビルシステムユニットCEO兼コネクティブインダストリーズ事業統括本部 副統括本部長、㈱日立ビルシステム 代表取締役 取締役社長)
6/25グローバルサプライチェーンを支える国際複合一貫輸送冨田 哲郎 氏(日本通運㈱ 特別参与)

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